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2019年1月23日水曜日

トゥルースの視線【第136回】


2019年新年のご挨拶

~ 人類は新たなステージへ ~


平成最後の年、東京は晴れて穏やかに明けました。昨年1220日、天皇誕生日を前にした天皇陛下の記者会見での、「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています」というお言葉が心に残りました。思えば、昭和64年すなわち平成元年に、トゥルース・アカデミーは産声を上げました。そして今、平成の世が終わり、新たな時代が始まります。明けましておめでとうございます。 


毎年元旦には新聞各紙に目を通しますが、ここ数年はITAI(人工知能)、ロボットといった技術革新の特集が毎年組まれています。今年出色なのは、「つながる100億の脳 常識通じぬ未来、『人類』問い直す」というタイトルで始まった日経新聞『Tech2050新幸福論』の特集ではないでしょうか?①猿人から都市国家(個から集団へ変化)②第1~2次産業革命(動力・エネルギーの革新)③第3次産業革命(情報処理・共有の発展)④生命科学の進歩(人の限界への挑戦)に続き、今バイオとデジタルの発展により、「ヒト、機械、ネットワークの融合」を目指す「第5の革新」が加速度的に進行しているとのこと。その内容には大変驚かされます。全世界的ベストセラー『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリは、その最新作『ホモ・デウス』で、これまで人類が苦しんできた「飢饉と疫病と戦争」は、もはや無力な人類の理解と制御の及ばない不可避の悲劇ではなく既に対処可能な課題となったと語り、次なる人類の課題として「不死と幸福と神性」を標的にする可能性が高い、ロボットやコンピューターと一体化しながら人間(ホモ・サピエンス)を神(ホモ・デウス)にアップグレードするだろうと予想します。日経の特集は私たちがまさにその過程にあることを自覚させるのに十分な内容でした。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究室でアリソン・ムオトリ教授が培養液を満たした皿に見せた白い物体は、人間の様々な細胞や組織に育つiPS細胞から作った「人工脳」。3カ月前ワシントン大学とカーネギーメロン大学の研究チームは3人の脳を特殊なヘッドギアなどで結び、脳波を通じてテトリスに似たゲームを共同でこなす様子を詳述し、複数の人の脳を安全につなぎ問題解決した初の例とした。脳と機械、そして脳と脳をつなぐブレイン・ネットワーキングの先駆者であるデューク大学教授ミゲル・ニコレリスは「脳同士が会話できれば言語すらも省略できる」と話す。50年の世界人口はおよそ100億人。時間や場所の制約も越え、人類のコミュニケーションや知の探求は速度と広がりを増すと。

ワシントン大学の今井真一郎教授らは老化を抑える長寿遺伝子を突き止め、日本企業が大量生産に成功し一部市販もされている。スタンフォード大学の中内啓光教授はブタの体内で人間の膵臓の作製を目指し、「いずれは生きた臓器同士の交換が始まる」と言う。国際電気通信基礎技術研究所は、二本の手と脳波で第3の腕を同時に操るロボットアームを開発。ロボットベンチャーのメルティンMMIは人間の動きを再現する制御技術と組み合わせ、肉体の一部を機械に置き換えるサイボーグ技術の実現を目指し、「脳さえあれば何でもできる社会」を究極の目標とする。フィンランドのスタートアップ企業ソーラーフーズは、水から水素を取り出して二酸化炭素に混ぜ、バクテリアに食べさせてたんぱく質を作る技術の試作に成功。農業や畜産の資源に恵まれない国でも食糧大国になれる。カナダのカーボンエンジニアリング社は、大型ファンで大気を集めて化学反応などで二酸化炭素を抽出して水素と混ぜてガソリンや軽油、ジェット燃料を作り出す。空気から燃料が作れるのだ。起業家のムハマンド・ヌール氏は仮想通貨の基礎技術であるブロックチェーンにより「国家は丸ごとデジタル化できる。国家に支配されないコミュニティをテクノロジーの力で作る」と語る。スタートアップ企業テレイグジスタンス社はヘッドセットグローブを身につけて体を動かすと遠隔地のロボットが連動する、世界中を自由に「移動」できる技術を開発した。人類を隔ててきた「距離」が消え国境をやすやすと飛び越えられるようになる。





これらの技術が加速度的に開発され実現していき、「超人」と呼ばれる新しい人類が出現していく時代において、今の子供たちにどのような教育が必要となるのでしょう?

「研究室で優秀な学生だなと思い、出身を聞くと『どこどこ高専です』『高専でロボコンやっていました』と答える学生が多い。これまでに研究室には高専出身者が10人ほどいて、本当に外れがなくて優秀だ。高専生は日本の宝だ」と話す、人工知能分野の第一人者ある松尾豊・東京大学大学院特任准教授の言葉にヒントが見つかりそうです(日経産業新聞2018/11/15)。

松尾氏は述べる。「ディープラーニング(深層学習)の研究はロボティクスのような機械などのリアルな世界の方向に進んでいる。自動運転、医療画像、顔認証など画像認識にはイメージセンサーやカメラが必要だ。電気や機械の基礎知識を習得した高専出身者は強みを発揮できる。ディープラーニングを学んでから電気や機械を学ぶよりも、逆の順の方がはるかに簡単で身につきやすい。電気や機械の基礎を学ぶには12年はどうしてもかかるが、ディープラーニングはあっという間にできるようになることがある。これからのAI時代の三種の神器は電気、機械、ディープラーニングだ」「高専出身者はとにかくやってみて、結果を私のところに持ってくる。こちらも的確な指導ができて、次のチャレンジにどんどん進んでくれる。いろいろなモノを使えるようにする実装力がある。プロジェクトのリーダーとしてもふさわしい」と。

2020年小学校での必修化に伴い、世はプログラミング教育に浮き立っている感があります。しかし、現実社会はもっと先に進んでいて、求められる能力はプログラミング・スキルだけではありません。トゥルースは、STEM教育を始めてから18年余り、ブロック・サイエンスやロボット・サイエンスでのメカニズムとプログラミングの融合、データロギングの学習、リトル・ダヴィンチでの算数活動や電気の学習、それらとプログラミングの融合など、いろいろな教育的チャレンジを行ってきました。しかもそれらを、21世紀に求められる「社会的構成主義」(視線128回参照)という教育理論に基づき、「ハンズオン」という直接体験型の学びを通して。トゥルースが提供する学びの形は変わりませんが、さらに時代が求める教材とそのカリキュラム開発に全力を注ぎ、邁進していきたいと考えております。本年もよろしくお願いいたします。



人間の定義は技術の進展に応じて変わる。いま必要なのは、
自分自身は何者なのか考えることだ。
― 世界初の完全自律対話型アンドロイドの創造者・石黒浩大阪大学教授 ―





トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳





トゥルース・アカデミー
http://truth-academy.co.jp/


2018年6月30日土曜日

トゥルースの視線【第130回】

ここが違う!TruthのSTEM教育③
数学者のように、科学者のように考える

2000年からレゴ(R)エデュケーションのブロック教材やロボット教材を使ったSTEM教育を実践して来ましたが、当時はほとんど理解を得られないという状況でもあり、この教育の根底にある教育理論「コンストラクショニズム」(視線第128回:http://truth-shisen.blogspot.com/2018/04.html参照)を教科の学習に活かせないか?と考え、2005年より「ハンズオン算数くらぶ」を開講。翌2006年に「リトル・ダヴィンチ」と名称を変え、現在の「リトル・ダヴィンチ理数教室」へと受け継がれています。

国際的な学力調査OECD生徒の学習到達度調査(PISA)、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)では、最近は少しずつ改善されてきていますが、「算数・数学、理科が楽しい」という日本の小中学生の割合が、国際平均を大きく下回っていることが長らく指摘されてきました。私共もそれまで進学塾を運営し子供たちの受験を応援してきましたが、算数・数学や理科の学習において公式を教え込み、出された問題にそれをいかに適用していくかを訓練していることに違和感を覚え、「なぜ?」という疑問に焦点が当てられる教育ができないかと模索を始めました。

そこで出合ったのが、坪田耕三氏(青山学院大学教育人間科学部教授/元筑波大学附属小学校教諭)が提唱し実践している「ハンズオン・マス」(手を使った体験的な算数活動)、滝川洋二氏(東海大学教育開発研究所教授・理科教育カリキュラム研究者)が理事長を務める「ガリレオ工房」や左巻健男氏(法政大学教職課程センター教授・新理科教育フォーラム代表・雑誌『理科の探検』編集長)を始めとする新しい理科実験の提案、カリフォルニア大学バークレー校ローレンスホール科学研究所で開発されている幼稚園から高校生を対象とした科学・数学領域の参加体験型プログラム「GEMS(ジェムズ:Great Explorationsin Mathand Science)」、アメリカの環境教育プログラム「Project Wild」などの直接体験型の理数教育でした。

その後さまざまな教材を研究し、厳選した教材と受験指導の経験とを加味して、できる限り効果的な算数・科学活動が実践できるようにオリジナルのカリキュラムを積み上げてきたのが、リトル・ダヴィンチ理数教室なのです。学校の算数では小学校低学年は数量が中心になりますが、リトル・ダヴィンチ理数教室では数量と平面図形、立体図形の3分野を扱い、数量と図形の融合も図ります。規則性あるものを美しく感じる心をはぐくみ、数学者が行ったような探求を通して、自ら公式を生み出せる力を養成することを主眼としています。また、科学も観察する習慣を身につけることから始まり、電気回路やデータロギング(実験データの収集と分析)などを通して、科学する態度を育てていきます。

「教師中心の授業」から「学習者中心の学び」へと教育に求めるものが転換している現在、教育には「何を教えるか」ではなく、「何をどのように学ぶのか?そして、何ができるようになるのか?」が求められているのです。また、現在大人気のプログラミング学習環境「Scratch(スクラッチ)」も2008年より算数の授業に取り組んでおり、昨年度よりダヴィンチ・キッズ(年長対象)からのすべてのステップでプログラミング学習を行っています。

ICT技術の発達により、教育ツールも大きな変革期を迎えています。リトル・ダヴィンチ理数教室のカリキュラムは、子供たちの知的好奇心と探求心を刺激する、新しい教育ツールを導入しながら進化を続けていくつもりです。今後もご期待ください。

ふしぎだと思うこと これが科学の芽です
よく観察してたしかめ そして考えること
これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
これが科学の花です
-朝永振一郎-

トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳


リトル・ダヴィンチ理数教室
http://truth-academy.co.jp/lv/

2018年4月20日金曜日

トゥルースの視線【第128回】

ここが違う!TruthのSTEM教育①
―社会的構成主義を実現する独自カリキュラムと指導―


 2020年から小学校でプログラミングが必修になることを受け、雨後の筍のように同種の教室が増えてきています。そのような状況の中、2000年からSTEM教育(科学・技術・工学・数学教育)を実践している当アカデミーが依然として他の教室と一線を画す特長はたくさんあります。

 その中で最も重要なのは、「社会的構成主義」という教育理論を実現している点です。現在世界の子供たちが求められている学力は、OECDが実施する国際的な学習到達度調査PISA=ProgrammeforInternationalStudentAssessment)が求める学力、いわゆる「PISA型学力」であることは周知の事実となっています。その育成に最も有効とされる教育が、PISAにおいて学力世界一を誇ったフィンランドの教育です。そして、フィンランド教育を世界一に導いたのが「社会的構成主義」と言わます。一言で言うと、「知識は固定的に教え込まれるべきものではなく、他者との協働の中で構成されていくと考える教育哲学」です。

 砕いてお話すると、「構成主義」とは、教師が一方的に知識を与えるのではなく、「学習者としての子供たちが自らの活動を通して自分自身で知識を構築し獲得できるようなものでなければならない」とする考え方です。これに「LeaningbyMaking(作ることで学ぶ)」という主張を加えたのが、マサチューセッツ工科大学メディアラボの創設者の一人、人工知能の研究者としても広く知られるシーモア・パパートが唱える教育理論「コンストラクショニズム」。パパートは、「デバグの効用」や「推論・実験・検証という正しい学びのサイクル」を唱え、プログラミング教育・ロボット教育の元祖であり、プログラミングソフトScratchの源やLEGOMindstorms®のアイデアを生み出しました。「社会的構成主義」とは、これを分断された個人が行うのではなく「他者との関わりで学ぶ」、すなわち、他の学習者と意見を交換したり刺激し合ったりしながら、その協働の中で知恵や知識を高め、自らの力で目標を達成させる、という考え方なのです。ここでは、教育者の役割はteacher(ティーチャー)やinstructor(インストラクター)として知識を与えることではなく、facilitator(ファシリテーター・促進者)やmentor(メンター・良き助言者)として学習者たちの活動を目標に向かって正しく進めるように導くことになります。

 「21世紀型スキル」を育成するには、プログラミング教育やロボット教育は不可欠です。しかし、ICTスキルの育成にだけ軸足を置いては、単なる教科の学習と何ら変わりはありません。創造力・イノベーション・批判的思考・問題解決・意思決定・学びの学習・メタ認知(認知プロセスに関する知識)・コミュニケーション・コラボレーション(チームワーク)・地域と国際社会での市民性等を含む「21世型スキル」やPISA型学力をも育成するには、「社会的構成主義」が避けては通れないと確信しています。そのため、既存のカリキュラムでは実現できないので、パイオニアとして、全カリキュラムと授業案、ワークシートをオリジナルで作成し、他にない指導を十数年にわたって実践し続けているのです。

 お蔭様で、Truthの授業を見学したり指導者養成講座を受講したりした学校の先生や教育関係者からは、「理論と実践が完璧に一致している」と評価をいただいています。また、教室での活動を拡大して行うNPO法人科学技術教育ネットワーク(略称NEST)では、ICTを活用した教育実践事例のコンテスト「ICT夢コンテスト」でも、「ICTを活用して社会的構成主義を実現する活動」として認められ、3年連続CEC奨励賞を受賞しています。

 Truthには、21世紀に求められる新しい教育があります。

トゥルース・アカデミー代表中島晃芳

トゥルース・アカデミー
http://truth-academy.co.jp/


2017年9月30日土曜日

2017年度【第2回】算数・数学 思考力検定

11/11( 土 ) 練馬校、 11/12( 日 ) 飯田橋校
算数・数学の検定試験にチャレンジしよう!

思考力検定は、算数・数学の問題を解くことを通じ て、子どもの身についている「思考力」の程度を知るるための検定です。  物事を論理的に考え解 決することや新しいもの を発見したり創造するこ とが大切になっている今、 様々な角度から、子ども たちの考える力を探り、 思考力を育くむことに役 に立つ試験内容です。  
この機会にぜひ受検を 検討してみて下さい。
申 込締切は 10/10( 火 )。

検定級出題する内容(検定する思考力)受検のめやす合格
基準
検定
時間
検定料
(税込)
10級● いくつかの簡単な情報の中から必要な情報を選び出す力
● 試行錯誤しながら考える力
● 平面の図形を捉える力
小学1年~
2年程度
65%
程度
45
2,000円
9級● いくつかの簡単な情報の中から必要な情報を選び適用する力
● 試行錯誤しながら、ねばり強く考える力
● 平面における位置関係を把握する力
小学3年
程度
65%
程度
45
2,000円
8級● 与えられたいくつかの条件を適用する力
● いくつかの観点で整理された情報の一部から、他の情報を導く力
● 図や表を用いて情報を整理する力(問題場面を図示し、問題の構造を把握する力)
● 平面における移動や回転を想像する力
小学4年
程度
65%
程度
45
2,000円
7級● 与えられた複数の情報から必要な情報を見つけ適用する力
● 与えられた情報(条件)を、使いやすい情報(条件)に作り直す(言い換える)力
● いくつかの場面に分けて、丁寧に考える力
● 空間における位置関係を把握する力
小学5年
程度
65%
程度
50
2,000円
6級● いくつかの情報の共通点や、いくつかの情報から性質(法則)を帰納的に見つける力
● 与えられた情報(場面)から法則を見つけ、その法則を適用する力
● 逆向きに(結論から)考える力
● 平面や空間におけるものの移動を想像する力
小学6年
程度
65%
程度
50
2,000円
5級● ある条件を満たすものの集合を作り、それに他の条件を加えて絞り込んでいく力
● 複数の条件を満たすかをチェックし、条件に当てはまらないものを排除していく力
● 二つの立場からの情報を、一方の立場に統一して考える力
● 数量の関係を文字を用いて表し、関係を把握する力
中学1年
程度
65%
程度
60
2,000円
4級● 与えられたいくつかの情報を組み合わせて必要な情報を導き、それを用いる力
● 推移律を利用して結論を導く力(問題を解決する力)
● 図・表・式に表して問題の構造を把握する力
● 命題の矛盾を認め、修正する力
● 空間において複雑に回転したり移動したりするものを想像する力
中学2年
程度
65%
程度
60
2,000円
3級● 条件過剰の場面から必要な条件を選択して処理する力
● 与えられた情報(条件)を組み合わせて、使いやすい情報(条件)を作り出す力
● 仮定をおいて推論し、他の条件も満たすように訂正しながら解決に接近する力
● 視点を変えて命題を作り直す力
● 否定命題を作って考える力
中学3年
程度
65%
程度
60
2,500円
準2級● 与えられた場面の条件を整理し、解決しやすく再構成する力
● 複数の条件をたがいに関係させながら推論していく力
● 問題を解決するために必要な数学的知識を選び出し、それらを組み合わせて問題を解決する力
高校1年
程度
60%
程度
90
3,000円
■算数・数学 思考力検定

■リトル・ダヴィンチ理数教室

2014年7月15日火曜日

2014年7月


Truth Academyのホームページがリニューアル!
- 新たなステージに向けて -
 
 


「ブロックとロボットの科学教室」を始めてから、早14年の月日が流れました。当アカデミーのホームページは旧態依然とし、時代に合ったものとは言えないものになってしまっています。リニューアルをここ数年考えていたのですが、コンテンツ数も多くなかなか着手することができませんでした。そのような折に、WEB制作やプロモーションを手掛ける会社を経営なさっている、ある生徒のお父様が声をかけて下さって今回のリニューアルが実現し、この7月中にUPできることになりました。この方はボランティアとして現在、ロボカップジュニア関東ブロックのホームページ運営も行って下さっています。
 

今回のリニューアルの主眼は、見やすいデザインに一新すること、各コース各ステップの内容を分かり易くすることにあります。また、今年度スタートする英語教室「COCO塾ジュニア」や、学校や学習塾、科学館向けのカリキュラム提供を目的とした「STEM教育支援プログラム」のページを増設しました。
 
このリニューアルで、当アカデミーの活動を紹介するコアの部分ができたと思います。当アカデミーの活動目標は当然、コンストラクシュニズムという教育理論に基づいたPISA型学力の育成を目的とする魅力ある先進的な授業を提供すること、真の国際人として世界を舞台に活躍できる人材を育成することにあります。ただそれだけに留まらず、当アカデミーの授業運営に加え、NPO法人科学技術教育ネットワークやロボカップジュニアの活動を通じて蓄積した膨大な指導ノウハウやカリキュラムを広く教育界に提供し、日本の教育が少しでも前進することの一助になればと願っております。
 
当アカデミーの活動と共に、ホームページも成長させていければと存じます。新しいホームページをご愛顧の程、よろしくお願いいたします。

 
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COCO塾ジュニア『サマーショートコース』受講生募集!
-All Englishで「使える英語」を始める、今年の夏-



やりたいことは、英語の先にある」を理念とするCOCO塾ジュニア。
 
6月の在籍生対象の無料体験会を開き、いよいよTruth練馬校(COCO塾ジュニア桜台教室)・日吉校(同、日吉本町教室)において活動がスタートしました。夏休みには、集中講座としてサマ―ショートコースをご用意します。
 
学年と英語学習経験によってABCの3つのコースがあり、各コースともに145分間×4回のレッスンです。GreetingWarm upPresentationPracticeProductionClosingといった、9月から始まる通常授業と同じ授業の流れですので、COCO塾ジュニアの授業を知る絶好の機会となるのではないでしょうか?また、Cコースでは、英語圏の教育動画サイトを利用し、自然な英語で話されるムービーを理解し英語で考え、英語で表現できるように学びます。
 
オール・イングリッシュのレッスンを楽しく体験し、英語に慣れ親しむチャンス!
皆さま、ふるってご参加ください。  
 
 
<サマーショートコース開催概要>
 
■日吉校開催日:7/222324258/561920

■練馬校開催日:8/562728

■入会金・教材費:不要。

■受講料:全4回分5,560円(税込)

ABコースは、4回のレッスンを順不同に受講できます。Cコースは、2回単位での受講となります。
 
 
レベルA
レベルB
レベルC
年中~小学生程度 (英語学習経験なし)
年中~小学生程度 (英語学習経験あり)
小学高学年~中学生程度 (英語学習経験あり)
挨拶や身近なものの名前を 英語で言ってみよう!
教室にあるものを 表現してみよう!
科学のしくみを英語で理解し、 自分の考えを表現してみよう!
数字や色、顔のパーツ、身体のパーツなど身近なものの英単語を学ぶ。
be動詞を使用した簡単な文を使い、教室にあるものや、何がどこにいくつあるか、などを表現する方法を学ぶ。
科学の分野に焦点を置き、動物のカモフラージュや光のエネルギーについて語彙や表現方法を学ぶ。
 
 
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今年で10年目!ロボット研究生が集う研究の場。
-8/24(日)『NESTロボコン2014』開催!-
 
 
 
 NESTロボコンは、NESTの前身、RISE科学教育研究会が2004年から開始し、今年で10年目を迎えます!今年は、中央大学附属中学・高等学校(東京・小金井)の協力の下、8/24(日)に開催します。
 
 
 
競技は昨年同様3チャレンジを設定。初級向け「Kokohore!-Wanwan」=写真上=は、宝発見のパフォーマンスがより多様性が出るようルールを改訂。
 
中・上級向けは、ロボカップ2013オランダ世界大会のスーパーチーム競技をアレンジしたサッ
カー&レスキュー競技に挑戦してもらいます!
 
 
 
 
 
 
 
 
<NESTロボコン2014 開催概要>

◆開催日:2014年8月24日(日)9:00~17:00予定

◆開催場所:中央大学附属中学校・高等学校
     http://www.hs.chuo-u.ac.jp/chuf/

◆競技:※事前エントリー制
 ① Kokohore! WanWan!
 ② レスキューチャレンジ
  ロボカップ2013オランダ世界大会のスーパーチームルール参考
 ③ サッカーチャレンジ
    ロボカップ2013オランダ世界大会スーパーチームルール参考
  ※競技見学は自由(無料)。ぜひ、応援に来て下さい!

◆ルール:NESTホームページhttp://www.npo-nest.org/で公開中!

◆同時開催【予定】
・『はじめてロボットプログラミング講座』(有料)
・『ロボカップジュニア説明会、世界大会2014報告会』
 

 
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競輪公益資金補助事業「RING! RING!プロジェクト」
-短期集中強化合宿「ロボットの鉄人2014」-
 
 
ロボカップ世界大会に出場し、入賞した実績のある先輩から直接実践的指導が受けられる合宿「ロボットの鉄人」を、今年も競輪公益資金の補助事業「RING!RING!プロジェクト」の補助金を受けて実施します。
 
今年のロボカップブラジル世界大会に出場するレスキュー・Acros、Lightning、サカー・Gcraudも「ロボットの鉄人2013」に参加しています。
 
今年もサッカー・レスキュー・ベーシック(初心者対象)の3コースで参加者を募集します。
 
ロボカップ2015タイ世界大会に向け始動しよう!
 
【ロボットの鉄人2014 開催概要】
 
■開催日:9月13日(土)~15日(月祝) 2泊3日 
■定 員:30名  
■参加費:16,800円(宿泊・食費込)
■開催場所:国立オリンピック記念青少年総合センタ-(代々木)
      http://nyc.niye.go.jp/
■募集対象:小学5年生以上(ロボット、PC持参できる方)
■申込:7月下旬~NESTのHPでhttp://www.npo-nest.org/ 






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トゥルースの視線【第90回】
強力な学びを引き出す「ハンズ・オン学習」①
-理科教育におけるハンズ・オン学習 -

 

 

トゥルースの視線で何度か取り上げましたが、当アカデミーの指導理念の一つである『ハンズ・オン(hands-on)学習』の意義について改めて考えたいと思います。直訳すると「直接手を触れる」「実際に参加する」という意味で、教育界では「実践的に学ぶ、参加・体験型の学習活動」を指します。ここでは、教える側が知識を一方的に教えるのではなく、学ぶ側が能動的・主体的に学習することが重視されています。また、本で学ぶよりも実際に行った方が、活動の楽しさや学ぶ意欲につながりやすく、学習効果が高まると考えられています。特に理科の学習では、「科学を行うとは何か?」「科学者がどのように研究をしているのか?」を、ハンズ・オン学習抜きにして子どもたちに理解させることは、考えられません。
 
理科教育を専門としている千葉大学大学院の藤田剛志教授は、人文社会科学研究第17号で初等理科教育におけるハンズ・オン学習の歴史と定義、あるべき姿について、興味深い考察を行っています(オヤオ・シェラ氏と共著)。この論文では、ハンズ・オン学習の効果について、体験を重視する余り「這い回る経験主義」に陥らないか?という批判があることも紹介されています。また、ハンズ・オン学習の展開の仕方について、下手をすると、問題の言明、実験計画、データの解釈、書き方までが教師の厳格な統制下に行われ、子どもたちが何をどうすればよいか、考えなくても活動できるように具体的な指示が料理本のように与えられる危険性も指摘しています。
 
まず、ハンズ・オン学習の定義として、「理科のハンズ・オン学習は、人を事物の操作に積極的に関わらせ、知識や理解を得させるあらゆる教育的経験である(Haury and Rillero,)」という考えを紹介しています。しかし、実物を単に眺めたり触ったりするだけでは、科学概念の理解は深まりません。子どもたちが何かを行うとき、ある事物を操作するとき、事物の持つ意味を考えさせることが必要です。そのためには、『探求に基づくハンズ・オン学習』が必要であると、この論文は主張しています。
 
探求的行為として、次の一連の行為を紹介しています。

①追求すべき問いを発する

②探究のための手順を考える

③予想する

④質的・量的データを収集する

⑤観察しデータを記録する

⑥データを操作し、グラフや表を作成する

⑦データを解釈し、予測と結果とを関連づける

こうした探求的行為を含むハンズ・オン学習により、子どもたちが取り組んでいる問題を解決するには、教師の指示に単純に従うよりも、何を行うべきか、どう行うべきかを自分で考えなければならないので、批判的思考力が高められる、というのです。

この論文を読んで、「リトル・ダヴィンチ理数教室」ジュニアⅠ・Ⅱで行っている理科実験の方向性が間違えていなかったことを改めて確信しました。小学低学年が対象のため、1つの活動で探求的行為を網羅することはできませんが、全米の学校教師向けの理数カリキュラム「GEMSGreat Explorations in Math and Science:ジェムズ)」とイギリス製のデータロガー「Easy Sense(センサーを使って実験データを収集しグラフ化する電子機器)」を用い、いくつかの活動を組み合わせることによって、①~⑦の実践はできていると思います。

新しい教育に対する挑戦を続けていく勇気を得た気がします。
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳

 
 
【参考文献】

人文社会学研究第17号「初等理科教育におけるハンズ・オン学習」(オヤオ・シェラ、藤田剛志)

 

 


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http://anchor-store.com/
 
 
 

2011年11月15日火曜日

2011年11月

めざせメキシコシティ!進化した競技に挑戦の年!
― ロボカップジュニア2012開幕 ―


11/19(土)神奈川・西東京ノード大会を皮切りに、関東各地でロボカップジュニア2012の予選(ノード)会が始まります。

今年は、ロボカップジュニアにとって大きな変革の年となります。これまでシニアと合同でゴールデン・ウィークに開催されていたジャパンオープンが、今年は、ジュニアのみで3/30(金)-31(土)に尼崎市ベイコム総合体育間で開催されます。それに伴い、これまで2~3月に開催されていたノード大会、関東ブロック大会が11月~12月に開催されることになりました。

11/19(土)神奈川・西東京ノード大会に日吉校の生徒が、11/20(日)東東京ノード大会に飯田橋・練馬のチームが出場し、7月の世界大会(メキシコシティ)を目指します!


  昨年は、Truth史上最多の4チームが世界大会に進出、サッカーAライトウェイトでは3チームがジャパンオープンに決勝進出を果たすなど輝かしい戦績を残すことができました。今年は、新たに、サッカーAオープンウェイト、壁の無いより本物のサッカーに近づいたサッカーB、シニア同様に熱を発する被災者を捜索するレスキューBにも初挑戦します。


  現在、ロボットサイエンスの生徒は、大きな目標に向け、チーム一丸となってロボットの開発、研究に取り組んでいます。ぜひ、会場で各チームのパフォーマンス、活躍をご覧ください。応援よろしくお願いします!

ロボカップジュニア2012開催概要
http://rcjj-kanto.org/news.html

■神奈川・西東京ノード大会:
11月19日(土)都立産技高専品川キャンパス(りんかい線品川シーサイド)

■東東京ノード大会:
11月20日(日)都立産技高専(りんかい線品川シーサイド)

■関東ブロック大会:
12月18日(日)玉川大学工学部・玉川学園(小田急線「玉川学園前」)
※ジャパンオープンへの選抜

■ジャパンオープン2012
3月30日(金)31日(土)尼崎市ベイコム総合体育館
http://www.robocupjunior.jp/

■メキシコ世界大会
6月18日~24日 メキシコシティ
http://www.robocup2012.org/


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個性的な高専文化祭「産技祭」報告
― Truth卒業生・講師らが活躍! ―


10月29日(土)-30(日)に都立産業技術高等専門学校・品川キャンパスで、同校の文化祭である「産技祭」が開催されました。
ロボカップ部が主催する「ロボカップ競技会」に当アカデミーのチームが招待されました。ロボカップ部部長で当アカデミー卒業生の加納誉大君の提案から実現。29日のサッカーチャレンジに2チーム、30日のレスキューチャレンジに4チームが参加し、本大会前の貴重な経験ができました。
  産技祭は高専ならではの、ロボットや催しが楽しめるのも特徴。当アカデミー卒業生の神山慧君も開発に携わったモーター、エンジン二つの動力を持つ「ハイブリッド機関車」が来場した子どもを乗せ、敷地内を疾走していました。この機関車は、適切なタイミングで動力が切り替わるよう、また誰が運転しても安全なように、急発進・停止時・急カーブ中は、自動的にスピードをコントロールするよう電子制御されているハイテク機関車です。


  リモコン型ロボットの格闘競技「かわさきロボコン」には、当アカデミー講師の西村先生も参戦。白熱したバトルで観客たちを沸かせていました。

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★トゥルースの視線(第64回)★
― 生きた知識を求めて  ハンズオン・ラーニングの意義 ―

前回はハンズオン・ラーニングで使用する教材に求める在り方についてお話しいたしましたが、今回は、なぜハンズオン・ラーニングが必要なのかをお話ししたいと思います。

  外部講座や講習会でいろいろな子供たちに接する機会が多いのですが、最近何かを尋ねたとき、子供たちの返事に気になることがあります。一つは「それ、知ってる」という返事。もう一つは、「習っていないから分からない」という返事。前者は、どこかで見聞きしたのでしょう。科学的な事象や現象で言えば、科学館などのサイエンスショーかテレビで見たのかもしれません。しかし、それが意味することは何なのか?なぜ、そのようなことが起こるのか?という一歩立ち入ろうとする疑問や興味・関心が「知ってる」という一言で遮断されてしまっているような気がします。後者は、知識はだれかから教わるものだという大前提があって、初めて出合った事柄について自ら考える姿勢が希薄になっているように感じます。

  数年前「WRO」というレゴ(R)のロボットで競うロボットコンテストの世界大会が横浜で行われたとき、レゴエデュケーション(R)のデンマーク本社から来た幹部に、「当日突然出された課題に対して、デンマークの子は対応できるのに、なぜ日本の子は対応できないのか?」と聞かれたことがあります。「高校生までは『学校の先生の言うとおりに勉強しさい』、大学に入ると『自分で勉強しなさい』、社会に出ると『自分で考えろ』というのが、日本人の教育の特徴だからかもしれない」というような返事をしたところ、「それでいいのか?」と本気で心配されたことを思い出します。

  子供たちが自らの頭で考えるきっかけを、大人はどのように作ったらいいのでしょう?自発的にものを考える拠り所を、どのように提示すればいいのでしょう?

  ある学習塾の小・中学生の受験生を相手に、組み合わせたギアを見せてギア比を計算させたところ、見事に正解できました。次に、「では、何対何のギア比になるように、好きなようにギアを組み合わせてごらん」と言うと、ものの数分も経たない内に皆お手上げになってしまいました。
しかし、当アカデミーの生徒たちはいろいろとギアを組み換え、その度に「いーち、にー、さーん…」などと数え、その末に「できた―!」と叫びます。そして、「このギアが何回まわると、このギアが何回まわり、その動きがこのギアに伝わって…」と、力の伝わり方のプロセスを説明し始めます。
計算とは、関係を式に表し、あとは決められた計算方法に従って解くだけのブラック・ボックスにしか過ぎません。オープンエンド(正解は1つではない)の課題なので、同じギア比でもやり方が異なれば、摩擦なども関係してギアを回す手にかかる力も異なります。どちらが「生きた知識」で、どちらが「死んだ知識」なのかは歴然です。

  これは、レゴ(R) 教育用ブロックという『ハンズオン教材』を日頃から使って学んでいることの成果の一つではないでしょうか?授業では、頭の中だけで考えて結論を出さないこと、必ず推論を立ててから実験すること、その結果を考えることを徹底して行っています。そのためか、実証的な精神が育っているのかもしれません。

  このように、ペーパー一辺倒の学習とは異なり、手と頭をフルに使って学ぶ「ハンズオン・ラーニング」は、子供に自分から考えるきっかけを与え、何かを考えたり何かを成し遂げる際に必要な根気や粘り強さをも育てるのに有効な学びなのです。しかも、これが実社会との結びつきを常に意識しながら学習できるのならば、子供たち自身が学習の意義を十分に感じることもでき、高いモチベーションをもって学習に取り組めるのではないでしょうか?