>

2013年5月29日水曜日

2013年5月

ロボカップジャパンオープン2013東京 結果報告
-全7チームで、6月のオランダ世界大会へ!-

54()6(月祝)、玉川大学・玉川学園キャンパスで「ロボカップジャパンオープン2013東京」が開かれました。今年はシニアチームも同会場で開催し、アジア各国からの参加も含め約300チームものロボカッパ―が東京に集結しました。

当アカデミーからは、全13チーム34人が参加(Truth-OBメンバーがいるチームが別途判明し、全14チーム?とも言えます)。会場が東京だったため、遠征ツアーは組まず、毎朝会場で集合してミーティングを行い、気持ちを一つにして挑みました。


サッカーチャレンジは、例年通りマシンのスピード向上が目立ちました。ライトウェイトのTruth4チームは全て決勝に進出。chaserとチーム心拓が決勝第1回戦で対決し、chaserが勝利、全体8位(プライマリ3位)という好成績をあげました。Aオープンでは、TKB11が準決勝でセンサーの調子が悪く、あと一歩で世界大会に届かず。惜しくも今年はサッカーで世界大会進出が果たせませんでした。でも、すぐに来年のことを考え、様々な情報を集めていた選手たちに感服しました。
来年からは、今年のBオープンのフィールドに全て統一され、オープンとライトの2区分になります。


レスキューAではコースが易しく初日から満点チーム続出。満点が必須条件となった闘いでした。ゴールまでのスピード勝負になるか、という予想も飛び交い、マシンの構造変更でスピードアップを図ったチームもあったようです。結果的に安定して満点を着実に取りに行ったチームが勝利。
プライマリneosはミスなく満点をとり優勝、セカンダリAmalgamζは被災者救出の着実さで準優勝できました。
レスキューBでは、優勝チームと圧倒的な差があったもののInertiaが準優勝。全体的にまだ、迷路攻略と被災者検出の着実な方法が確立しない中、レスキューA世界大会出場の経験を生かした結果と言えるでしょう。


ダンスチャレンジではパフォーマンスを2回行い、得点の高い方を採用するという昨年の世界大会方式で運営されました。Truthで今年は1チームだけダンスに出場したi-Weddingは、新しいチャレンジをするために有志で結成されたチームです。インタビューでは着実に得点を重ね、技術面をアピールできましたが、1回目のパフォーマンスでは調整が間に合わずにミス連発。2回目までに問題解決に挑み、ミスは多々あったものの演技を最後まで披露することができて見事、優勝できました。

NEST、産技高専のチームも一緒に、全7チーム22人でオランダ・アイントホーフェン世界大会へ6月下旬、向かいます。引き続き、応援お願いします!

◆ジャパンオープン2013東京  当アカデミーの結果一覧◆
 
サッカーチャレンジ
ライトウェイトchaser (菅原K・鈴木A)第8位
ライトウェイトチーム心拓
(宮崎J・久保寺M・ジョージM)
決勝トーナメント進出
ライトウェイト最強キッカーズ (鈴野N・大豆生田T)決勝トーナメント進出
ライトウェイトIceCreamSandwitchベスト16
オープンATKB11(川又T・内村K・城下M)第3位
オープンAHYS21(嶋本R・安永S)予選敗退
(2勝2敗)
オープンAGcraud  ※Truth-OB準優勝
レスキューチャレンジ
プライマリneos (鈴木Y・新美S・浜辺K)優勝
プライマリR3 (荒川T・植田Y)第3位
セカンダリAmalgamζ (小林A・川端Y)準優勝
セカンダリAIboT (角田W・天城K・飯島I)第4位
セカンダリT.A.R  (寺尾F・安倍S)第5位
セカンダリAmalgamφ (畝本R・駒場K)16位
セカンダリTeam TAKUMI13位
レスキューBInertia (清水S・持田S)準優勝
ダンスチャレンジ
プライマリi-Wedding (宮下M・飯山T・高橋R・戸井田K・末村E・石崎R)優勝
赤字=世界大会出場チーム ・ 青字=TruthOB、講師チーム


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


NXTロボットを1日集中で研究!3会場で開催!
-自律型ロボット講座プログラミング入門 参加者募集-

NEST主催「自律型ロボット制作講座」を6・7月に東京・埼玉・多摩地区の3会場で開催します。

独立行政法人国立青少年教育推進機構「子どもゆめ基金助成活動」として実施。

基本的な動きの制御からセンサーを使ったプログラミングまで学べる、初級者向けの1日集中講座です。奮ってご参加ください!

■自律型ロボット講座プログラミング入門<開催概要>

【日程/場所】 1)東京地区:6/16(日)目黒中小企業センター
 2)埼玉地区:6/23(日)埼玉会館
 3)多摩地区:7/ 7(日)八王子学園都市センター
 ※いずれも同じ内容で実施します。

【時間】
 10:00~16:00(昼休憩含)※各会場共通

【対象】
 小学3年生~中学生 【定員】各会場20名
【申込】
 http://www.npo-nest.org/ よりお申込みください。

【参加費】
 5,250円 ※ロボットは持ち帰れません


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


電子工作ロボット製作講座いよいよ開幕!
-世界大会を目指すサッカーロボット開発講座-


512()より飯田橋校で2013年度『電子工作ロボット講座』が始まりました。
昨年世界大会出場チームを2チーム送り出した奥山先生に代わり、今年は世界大会3回出場、最高成績世界準優勝の経験を持つ鋤先先生が担当します。

ロボカップジャパンオープン2013東京で、当アカデミーのサッカーチームは全チームが予選リーグを突破し決勝リーグに進んだものの、2チームが最高順位3(世界大会出場は各リーグ2位まで)という大変惜しい結果になりました。

その悔しさのせいか、初回の講座から熱気ある授業が展開中!

これまでLEGO Mindstorms(R)でロボットを作って来た生徒たちが初めて電子工作ロボット作りに挑戦する「EG基本講座」、電子工作2年目以上の生徒たちがさらに進化を目指す「RD発展講座」、共に初回から熱気のこもった授業になりました。

EG基本講座ではダイセン電子工業社製ロボットキット「e-Gadget-RBR)を原型としてオリジナルロボットに変身させていきます。RD発展講座では、C言語でプログラムするARM基盤やArduino(アルドゥイーノ)基盤を使った新たな挑戦が始まりました。

これからでも参加は間に合います。ロボカップジュニアで活躍したいと願っている人たちの参加を待っています!

詳しくは以下のページをご覧ください。
http://www.truth-academy.co.jp/RSC08/RMO-Annai.htm



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 
「リケジョ(理系女子)」の時代到来?③
-なぜリケジョは少数派なのか?(その2)-


日本の理科教育現場において男女でどのような違いがあるのでしょうか?

小学校から中学1年までの理科実験で「実験で中心的役割をした」と答えた男子は39.9%、女子は20.5%というアンケート結果があります(2004)
また、中学23年生の理科の授業中の行動観察によると、男女混合グループの実験では男子が中心的役割を担い女子は補助的な役割を担っているが、女子だけのグループの場合には女子は積極的である(1997)。生徒自らが課題を設定し実験を計画し遂行する理科における問題解決学習は、生徒の学習意欲を高める効果があるが、男子の場合は挑戦意欲の高まりが顕著なのに対し、女子はグループで協力し学び合うときに学習意欲が高まる (2006)

どうも男女では学ぶモチベーションの源が異なるようです。

では、日常生活での科学的関心や体験に違いがあるのでしょうか?

ノコギリやドライバーを使うなどの工学につながる経験がある女子は男子に比べて少なく、理系志向に影響があるとされている「外遊び」が好きだった女子も少ない(2004)。日常生活の中でのさまざまな科学的な体験の有無をスコア化した結果、「動植物に関する体験」は女子が高かったが、「自然体験」「生活体験」「日常体験」は男子の得点の方が高かった(2004)

河野銀子氏は、こういった体験の乏しさは、女子には危険な行為をさせたくないという周囲の大人の「配慮」によるものと推察されるが、実験器具の扱いに抵抗を感じ、実験で補助的な役割に甘んじ、こうした経験の連鎖が理科に対する消極的態度として習慣化・身体化していくのでないか、と指摘しています。

また、「母親は、将来自分が科学や技術に関わる仕事についたら喜ぶと思う」という男子は28.9%、女子15.8%。父親からの同様の期待に対して、男子31.4%、女子20.7%(2003)。将来子どもが科学技術職に就くことに対する親の期待度にも差があるようです。

しかし、興味深い調査結果もあります。「冷蔵庫やクーラーはなぜ冷えるのか」「CDの音がきこえるしくみ」などの身のまわりの自然や科学に関する事象を16項目挙げ、「詳しく知りたいこと」を選択させた結果、男女差がなかった(2004) 。女子は学校の理科への興味・関心が男子より低いのだが、日常的な科学的事象に対する関心は十分持っているということになります。

これらのことから、女子が理科を好きになり、リケジョに育つにはどうしたらいいかのヒントが得られるような気がします。

・幼いころから道具や工具を使わせ、自然活動などに積極的に参加させる
・女子が安心して学びやすい環境をつくる
・女子が持っている日常に密着した科学的関心を生かす
・協力型の学び合う場をつくる

当アカデミーでも、その方法論を模索し確立していきたいと思っております。ご期待下さい。

【参考文献】
『女子高校生の「文」「理」選択の実態と課題』河野銀子(山形大学地域教育文化学部准教授)


トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳