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2012年2月15日水曜日

2012年2月

リトル・ダヴィンチ理数教室リニューアル
― 4月から毎週コース(月4回)の授業に! ―


2005年からスタートした『ハンズオン算数くらぶ』は『リトル・ダヴィンチ算数・科学アカデミー』に、そして2011年に現在の『リトル・ダヴィンチ理数教室』へと発展してきました。
算数ブロックや様々な教具を使って、手と頭で考える直接体験型の学習を中心とする「ハンズオン算数くらぶ」開設当初は、斬新な教育の提言だったせいか、なかなかその趣旨をご理解いただけませんでした。
しかし、今や世界基準の学力として定着した「PISA型の学力」が世界の教育界で重視され、昨年4月から実施が始まった新指導要領でも本格的にその育成を最大の目標としている中、状況は少しずつ変わってきたようです。

  『リトル・ダヴィンチ理数教室』は、科学者や数学者が実際に行なっている研究方法や思考方法を利用し、「つよい理数脳をつくる」ことを目的としています。自分の手を使って操作・創作活動や実験をしたり、自分の五感をフルに使って観察したり、データを分析したりしながら、自ら公式を創り出せる能力を育成します。

幼少期にPISAが求める数学的リテラシー(視線51~53回参照)や科学的リテラシー(視線57・58・60・61回参照)を養うには、当アカデミーが実践しているコンストラクショニズム(視線2~4回参照)に基づいたハンズオン・ラーニング(視線8~9回参照)が極めて有効であることは、今では教育の常識となりつつあります。それにつれて、ご父母の皆様の意識も変化してきたのか、まだまだではありますが、徐々に生徒数も増えてまいりました。


  2011年度のリトル・ダヴィンチ理数教室は月3回の授業でしたが、皆様のご期待により応えるために、2012年4月より毎週50分授業に致します。このことによって、より継続的な学習が可能になるかと存じます。
算数活動を月3回、理科実験を月1回行ないます。バージョンアップしたリトル・ダヴィンチ理数教室にご期待下さい。

  なお、『ダヴィンチ・スペシャル』2月講座および『春休み特別授業』は、リトル・ダヴィンチ理数教室の授業が体験できる内容になっておりますので、奮ってご参加ください。

(注1)PISA:OECDが行なう国際的な生徒の学習到達度調査
(注2)PISA型の学力:知識や経験をもとに自らの将来の生活に関する課題を積極的に考え、知識や技能を活用する能力


 

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1年間の集大成 ベーシックⅠ卒業ロボコン
― 「グリーンシティ・チャレンジ」開催! ―


ロボット・サイエンスの一年目となるベーシックⅠクラスでは、この一年間、プログラムの基本となるモーター制御、センサーの基本的な使用方法などを研究してきました。3学期はベーシックⅠの卒業課題として『グリーンシティ・チャレンジ』の活動に取り組んでいます。同課題のロボットコンテストを、3月20日(火祝)に飯田橋校にて全校合同で開催します。

  『グリーンシティ・チャレンジ』は本年度初めて導入。環境問題、再生可能エネルギーをテーマにした様々なミッションが用意されています。競技者のレベルに応じて課題を設定することができ、競技者が自由な発想でプログラミングや問題解決のスキルを応用させることができます。

  目的は、環境に優しい『グリーンシティ』を活性化させることです。ソーラーパネルや風力発電などの再生可能エネルギーの導入、廃棄物処理システムの構築がミッションとなります。

  ベースエリアよりロボットをスタートさせ、各ミッションのクリアを目指します。ベースエリア内では、プログラムの変更、ロボットの構造、各モジュール変更が認められています。プログラミングはもとより、メカニズムの工夫も必要になります。

  各ミッションモデルには、クリアするとエネルギーブロックが放出されるギミックが組み込まれています。(例:家の屋根にソーラーパネルを設置するとエネルギーブロックが放出される)

  果たしていくつのエネルギーブロックを集められるでしょうか?グリーンシティを活性化させることはできるでしょうか?生徒達がどのようなアイデアでミッションをクリアしてくれるか期待して下さい!


■ミッション一覧
・風力タービンの起動スイッチを押し、作動させる
・ベースエリアからソーラーパネルを運に、家の屋根に設置させる
・フラワーレディに触れずに各ミッションをクリアする
・ゴミ分別 黄色のループを黄色のゴミ箱に固定する
・ゴミ分別 黒色のループを黒色のゴミ箱に固定する
・ダムにブロックを埋め込む
・廃棄物処理場の古い煙突を倒し、新しい煙突を設置する
・各ミッションをクリアし放出されたエネルギーブロックを回収する
・エネルギーブロックを4個以上、グリーンシティに設置し、グリーンシティを活性化させる

■ベーシックⅠ卒業ロボコン『グリーンシティ・チャレンジ』
  全校合同競技会概要

開催日:3/20(火祝)
開催場所:トゥルース・アカデミー飯田橋校
開催時間:10:00~13:00(予定)
参加者:全校のベーシックⅠ在籍生徒


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★トゥルースの視線(第66回)★
― イノベーションの時代(2) ―
 Think different

東日本大震災、原発問題、タイの洪水、円高、産業の空洞化、ガラパゴス化、ユーロの危機、人口減、少子高齢化などの影響で日本経済の行く末を案ずる声が絶えません。
しかし、2月11日に公開される映画『はやぶさ 遥かなる帰還』の原作『小惑星探査機はやぶさの大冒険』の作者である山根一眞氏は、「日本が世界一になれる産業はある」と語り、真っ先に宇宙ビジネスを挙げています。
HⅡAロケットの打ち上げ技術の高さ(成功率95%)とコスト削減の実現、無人輸送機「こうのとり」や宇宙実験棟「きぼう」のプロジェクト、そして「はやぶさ」で一躍脚光を浴びた「イオンエンジン」の成果…。山根氏は「日本の衛星システムが世界の基盤になる」と断言しています。

  宇宙ビジネスだけでなく、ロボット技術や環境・エネルギー、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなど、日本には世界のトップを走れる技術分野はまだまだあるように思います。また、「モノだけを売るな!ソルーション(解決策)を売れ!」という時代だとも言われています。省エネ・二酸化炭素削減・交通渋滞緩和・節水…多岐に渡る都市の課題の解決を目指す「スマートシティ」などは、その一例になるのではないでしょうか?分野の異なる多くの企業が協力し、世界トップレベルの技術力を統合して新たなものを生み出すことが可能となります。

  このようなことに思いを巡らすと、前号「2012年 新年のご挨拶」でお話したように、今こそ「イノベーションの時代」であることを強く感じます。この「地獄の10年」とも「ビッグ・ゼロ」とも言われる時代にあって、最も大きなイノベーションを起こした人物はスティーブ・ジョブズであることは誰しも認めるところではないでしょうか?
「1日に何回も何か問題を抱えたどこかの学生、どこかのアントレプレナー(起業家)、どこかの産業デザイナー、どこかのCEO(最高経営責任者)がこう自問しているはずだ―『スティーブ・ジョブズならどうするだろうか?』と」(フォーチュン誌)。

  『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』の著者カーマイン・ガロ氏は、スティーブ・ジョブズが基本とする7つの法則を挙げています。(法則○「…」以下はスティーブ・ジョブズの言葉)

法則1「大好きなことをする」
          自分の心や直観に従う勇気を持とう。本当はどういう人になりたいのか、意外なほどわかっているものなんだ。

法則2「宇宙に衝撃を与える」
          我々はビジョンに賭ける。「後追い」製品などつくらず、次なる夢を追い続けるのだ。

法則3「頭に活を入れる」
          創造力というのは、いろいろなものをつなぐ力だ。

法則4「製品を売るな。夢を売れ」
          我々も、常識とは違うことを考え、アップルの製品をずっと買い続けてくれる人々のためにいい仕事をしたいと思う。自分はおかしいんじゃないかと思う瞬間が人にはある。その異常こそ天賦の才の表れなんだ。

法則5「1000このことにノーと言う」
          何をしてきたかと同じくらい、何をしてこなかったかを誇りたい。

法則6「めちゃくちゃすごい体験をつくる」
          パーソナルコンピューターが買えればいいという時代は終わりました。今はみんな、コンピューターで何ができるかを知りたいんです。だから僕らは、それを世の中に示したいと思います。

法則7「メッセージの達人になる」
         ケーキがよく焼けているのに、アイシングはひどすぎる。

  2009年全米ティーンエイジャーのアンケートで、最も尊敬する人物としてスティーブ・ジョブズが挙げられています(得票率35%)。
その理由として、「違いを生み出した人だから」、「みんなの暮らしをよくした人だから」、「世界をよりよくしてくれた人だから」を挙げているそうです。もちろん十代の純粋さはいつの世も変わらないとは思いますが、前号に紹介した「C世代」は、スティーブ・ジョブズの遺伝子を受け継いでいるように思えてなりません。

  当アカデミーは、「子どもたちは皆、生まれながらにして科学者であり、芸術家。知的好奇心と探究心を刺激し、子どもが学ぶことの楽しさ、大切さを実感することができれば、いつまでもその資質を伸ばし続け、開花することができる」と考えています。自分の利己的な利益よりも他者の、そして社会の幸せを願う、純粋な心と共に育ってくれればと願っています。

「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから」

 ― 1997年Apple 社CM『Think different.』―


【参考文献】
■『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』(カーマイン・ガロ著・井口耕二訳/日経BP社)
■Apple不朽の名作CM「Think different.」クレイジーな人たちへ〜アップル宣言
http://blog.prtimes.co.jp/yamaguchi/2011/10/apple_think_different/