>

2011年7月15日金曜日

2011年7月

レスキュー全チームがトロフィー獲得!
―ロボカップジュニア2011イスタンブール世界大会報告 ―


去る7/6(水)~7/10(日)の5日間、イスタンブール(トルコ)でロボカップ世界大会が行われました。

当アカデミーからは、レスキューAプライマリ「3T Robot(亀井I君・新美S君)」と「Σ(持田S君・角田W君)」、レスキューAセカンダリ「RCX Rescue Team(清水S君・小林A君)」、ダンス・プライマリ「Suikas(酒井M君・井上S君・相原G君)」が、日本代表として参加。全体では世界各国の代表がレスキューAプライマリ33チーム、同セカンダリー35チーム、ダンス・プライマリは19チームが参加しました。

レスキューAは2~4日目の3日間が1チーム1台のロボットによる「個別競技」で、1日3回×3日=全9回もの競技が行われました。9回の競技の内、最低得点を除いた8回の得点を合計して順位を決めます。しかも、2日目にはインタビューも行われれるというハードなスケジュール。ジュニアの会場が地下駐車場ではないかと思うような場所だったので埃(ほこり)が多く、ロボットのキャタピラやタイヤが滑り易い上、磁気の影響もあって方位センサーが予定通り使えずに苦戦したようです。加えてスケジュールや得点結果のアナウンスも遅く、不安な時間を過ごさざるを得ませんでした。

そのような状況の中で、昨年優勝の「3T Robot」は精神的なプレッシャーや他チームからのマークや圧力にも負けず、見事堂々の準優勝。技術の高さに加え、精神力の強さも感じさせ、大いなる偉業を成し遂げました。初出場の「Σ」は最初なかなか満足な結果を出せませんでしたが、回を追うごとに得点を伸ばしていき4位という立派な成績を残しました。「RCX Rescue Team」は今年世界大会3度目の出場。苦戦したものの8位。悔しい思いもあったかもしれませんが、安定した実力を発揮したと思います。


5日目は他国のチームと組んでロボット2台で行う「スーパーチーム競技」、世界大会ならではの競技です。「個別競技」のBest12のチームしか出られません。ルールもチームの組み合わせも前日発表のため、4日目は3回の「個別競技」を終えてからプログラムを組み、場合によってはロボットの改造も行わなければなりません。しかも、翌日午前10時に試合開始という、とても過酷なスケジュールです。
3回の競技が行われた結果、プライマリ「Σ」優勝、「3T Robot」3位、セカンダリ「RCX Rescue Team」2位。言語の壁もありコミュニケーションが大変だったと思いますが、相手チームを助けたり、助けられたりと、楽しく過ごせたのではないかと思います。

今の日本の子供たちに足りないものをいろいろ指摘されていますが、そんなことを微塵も感じさせません。新たに出された課題に対して真剣にしかも楽しみながら取り組む彼らのチャレンジ精神を日本の大人たちにはぜひ見てもらいたいものです。

レスキューは国内では圧倒的に1人チームが多かったのですが、今年の世界大会からは、どの競技も2名以上のチームしか受け入れないというルールになりました。その関係で関東ブロック大会直後に急遽チーム編成を行ったのでそれぞれのチーム状況はどうなるかと大変心配していましたが、レスキュー3チーム6人が競技や調整以外はいつも一緒にいて食事したり遊んだり、夜はみんなで集まったり、とても仲良く過ごせたことも素晴らしい結果を生んだ一つの要因だったかもしれません。社会に出て一人だけで何もかも行う仕事に就けることは珍しいことですので、これも一つの経験になったかと思います。


ダンスは、1日目にインタビューとステージ練習、2日目と3日目にステージでのパフォーマンスが1回ずつ。上位11チームが4日目に決勝に進出できます。「Suikas」はジャパンオープンの時の実力が予選で発揮できず、無念の敗退。5日目の「スーパーチーム」では、オーストリアの「The Pirates」とスロバキアの「Black Panthers」と組み、「United Nation of Ch.A.S」という新たなチームを結成しました。どうも中国チームと間違えられたようです。テーマはパーティーとし、スロバキアの女子4名が主導してプログラムの変更や人間のダンスの練習などを一所懸命行っていたようです。結果は残念ながらTOP3には入れませんでしたが、英語がよく分からないながらも、外国チームとの共同作業という新鮮な体験をとても楽しんだようです。

連日朝早くから遅くまで会場に缶詰状態でなかなか観光もできませんでしたが、帰国日の7/11にはボスプラス海峡クルーズ、ブルーモスクとトプカプ宮殿の観光、そしてトルコでの最後の昼食、買い物と慌ただしいながらも少し旅気分を味わうことができました。


皆よく頑張りました。立派でした。日本代表として世界の舞台に立った経験を、今後の人生における成長の糧としてくれると信じています。

【参考】
■レスキュー結果:
http://www.robocup2011.org/en/content.asp?PID={56FB3757-2D1A-4360-AA22-C922A56F5948}&PageFn=Results


■ダンス結果:
http://www.robocup2011.org/en/content.asp?PID={AF0738DB-3BA2-4429-829D-CB475D2A3A6C}&PageFn=Results



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


サマーチャレンジ2011初級競技紹介
― 宝を探せ!「Kokohore-Wanwan!」  ―


今月は初級対象の競技「Kokohore-Wanwan!(ここほれわんわん)」についてご紹介します。
  Kokohore-Wanwanは「宝探しの名犬ポチ」をテーマに2005年より毎年サマーチャレンジの競技として実施されています。回を重ねる毎に、課題、内容がパワーアップされてきましたが、今年は初級のみ対象の課題と設定し、原点に回帰することにいたしました。
  宝が眠っている野原と想定された黒と緑のラインに囲まれたフィールド内をロボットが宝の隠し場所を探し回り、発見したらパフォーマンスをしてご主人に知らせる競技です。1.6m×1.1mのフィールド内に、黒の宝の隠し場所10個、銀の宝の隠し場所5個がランダムに配置されています。制限時間180秒間の間にいくつの宝の隠し場所を発見できるか競います。発見時のパフォーマンスの内容は自由。ベストパフォーマンス賞の対象となります。
  レゴで犬の形に作られたロボットやぬいぐるみを被ったロボット、口を大きく開けたり、しっぽを振ってパフォーマンスをするロボットなど、毎年、ユニークな名犬ロボット「ポチ」が登場します。真剣な勝負ももちろんですが、面白い、かわいらしいロボットやパフォーマンスを見られるのもKokohore-Wanwan!の特徴、見どころです。ぜひ会場に足を運び、名犬ロボット「ポチ」達の活躍をご覧ください!

    ■詳しくはRISE科学教育研究会
                
http://www.rise-j.net/

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ロボカップで好成績チームを多数輩出!
― 短期集中強化合宿「ロボットの鉄人2011」  ―


  RISE科学教育研究会主催「ロボットの鉄人」は、ロボカップジュニア世界大会に出場経験のあるロボットの鉄人たちと過ごす2泊3日のロボット短期集中強化合宿です。08年のから開始し、今年で4回目の開催となります。これまでの参加者は、ジャパンオープン決勝、世界大会出場、世界大会チャンピオンと輝かしい成績を残しています。

今回も昨年同様、サッカー、レスキュー、ベーシック(初心者対象)の3コースを実施します。   競技、指導経験豊かな鉄人達がロボットの構造からプログラムまで昼夜を問わず熱心に指導にあたります。昼間に競技会を繰り返し行い、実戦経験を積みながら、調整方法を学び、各自の課題を明確にしていきます。夜間にはテーマ別講座も開講し、ロボットを進化させていきます。

鉄人達のロボットや調整方法にじかに触れ、共に活動することで、ジャパンオープン、世界大会で通用する研究姿勢、ロボットの製作方法、調整方法を身につけられるロボット漬けの濃密な3日間です。   

来年の世界大会はメキシコ!ここから世界を目指そう!

 


■昨年参加者の実績
ロボカップジュニア2011
     シンガポール世界大会…3チーム出場
             ・レスキューAプライマリ 個別準優勝
             ・レスキューAプライマリ スーパーチーム優勝
             ・レスキューAプライマリ スーパーチーム第3位
     ジャパンオープン2011大阪…6チーム出場
             ・レスキューAプライマリ…準優勝
             ・レスキューAプライマリ…第3位
             ・レスキューAプライマリ…最優秀プレゼン賞
             ・サッカーAライトウェイト…2チームが決勝トーナメント進出
             ・サッカーAライトウェイト…最優秀プレゼン賞

■参加するロボットの鉄人の実績
西村進一:04リスボン
               05大阪世界大会出場
中川雅貴:06ブレーメン世界大会/個人準優勝・マルチ優勝、
               07アトランタ世界大会/特別賞
               08蘇州世界大会/個人優勝
奥山弘祐:02福岡世界大会/ベスト16
               06ブレーメン世界大会出場

【ロボットの鉄人2011開催概要】
開催日:9月23日(金祝)~25日(日) 2泊3日
開催場所:川崎市民プラザ(川崎市)
対象:小学5年生以上(PC、ロボット持参できる方)
定員:22名 (定員に達し次第締切)
参加費:29,800円(税込)
受付開始:2011年8月23日(火)


 ■詳しくはRISE科学教育研究会
                 
http://www.rise-j.net/