―日本のこと、地球のこと、宇宙のことを考えた夏―
震災後初めてむかえる夏休みとなりました。記録的な猛暑、異常な気象現象、不安定な政治と揺れた夏。人間の生活と技術、環境について少しでも子どもたちが関心を持ち、考えて行動するきっかけとなる活動をトゥルースアカデミーでは行いました。
工作・ロボット・算数・実験など夏休みだからできる多彩な講座を全12種のオリジナルのカリキュラムで開講。幼児~中学生まで、一般受講生も楽しめる講座として例年人気です。 今年の新しい試みとしては小4以上対象の「宇宙エレベーター」。実現に向け研究が進んでいる地上と宇宙をエレベーターでつなぐ輸送機関について学び、レゴでベルトを上昇させる機構を開発します。講座では、昨年秋に開催された「レゴ宇宙エレベータークライマーレース」の課題に挑戦。モーターのパワーを強力にする工夫、ベルトとの摩擦などの微調整に子供たちは真剣でした。11月20日に今年も同大会が開催されます。挑戦者集まれ!!(課題は10月上旬に公開)
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オーシャンプロジェクト2011
― 海のいきもの、プランクトン、夜の海に光る夜光虫に大興奮! ―
RISE科学教育研究会では、7月29日―30日の1泊2日、昨年に引き続き真鶴(神奈川県)にて「オーシャン・プロジェクト」を開催しました。今年は震災の影響もあり少人数での開催となりました。
初日は神奈川の景勝50選にも選ばれている三ツ石海岸へ。真鶴町立「海の学校」の渡部孟先生をはじめとする専門の先生方と一緒に磯の生きもの観察をしました。最近は南の海の生きものも真鶴の海で見られるようになったことなど、専門家の先生だからこそ知るいろいろなお話しを聞くことができました。また、真鶴では珍しいカニを捕まえることもできました。その後は町立「遠藤貝類博物館」内を案内していただき、展示の貝について詳しく解説していただきました。
午後は、琴ヶ浜でシュノーケリング、水中での色の変化の実験、潮の満ち引きの定点観測など様々な実験を行いました。夕食は宿泊先「ペンションしおさい」で海の幸に舌鼓を打ち、夜の活動へ。神奈川を中心に、海や海洋生態系についての教育サービスを行っている横浜国立大学環境学博士の水井先生と一緒に、夜の港にプランクトンを採取に。暗い海に光る夜光虫に感動しました。宿舎で採取してきたプランクトンを顕微鏡で観察。そのグロテスクな姿に驚きました。
2日目は心配していた雨もどうにか降らずにもちました。水圧の実験を行った後、再び琴ヶ浜に磯の生きもの探しに。昨日の満潮のときの様子とは色々違いがありました。午後は、公民館でデータロガーを使って計測した海中と地上の温度の違いを比較、検証し、2日間の活動の実験、研究のまとめを行いました。
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サマーチャレンジ2011
―ポチにサッカーにレスキュー!様々なロボットが登場!―
8/28(日)都立産業技術高等専門学校において「サマーチャレンジ2011」が開催されました。これまでは、宝探しの名犬ポチをテーマにしたサマーチャレンジオリジナル競技「Kokohore-Wanwan」を実施してきましたが、今年は、ロボカップジュニアの大会日程が前倒しされたことを受け、中級上級課題はロボカップジュニア競技として「サッカ―チャレンジ」「レスキューチャレンジ」、初級課題は「Kokohore!-Wanwan」の3競技を行いました。
「Kokohore-wanwan」には、17チーム33名が参加。布やフェルトなどいろいろな素材で作成したポチらしいロボットが例年以上に登場し、会場の皆を楽しませました。ポチを本物の犬ようのゲージに入れて会場に運ぶというとてもユニークなアイデアを披露した、末村T君(飯田橋校・小6)がベストパフォーマンス賞に選ばれました。
「サッカーチャレンジ」は、全14チーム28名が4リーグに分かれて競技を行いました。今大会はグリーンカーペットのフィールドで実施。グリーンカーペットはサッカーAライトウェイト世界大会、重量制限がない上級リーグオープンウェイトで使用されます。従来のグレースケールではないフィールドに苦戦をしいられるチームが多い中、前大会ロボカップジャパンオープン2011で決勝進出を果たした安永S君(日吉校・中3)と、大杉Y君(エルプレイス)のチームが優勝。参加者達はグリーンカーペットを経験したことにより、新たな自殺点防止方法、戦略の必要性を感じたようです。
「レスキューチャレンジ」は、世界大会のスーパーチーム同様、2台のロボットによるオリジナルルールで行われました。第1ラウンドでは、ロボットがそれぞれ動いているといった様子でしたが、第2ラウンドではチーム内での役割を明確にしたチームもありました。安定したパフォーマンスを見せた畝本R君(飯田橋校・中2)、三木H君(エレファント・アリー)のチームが優勝。
ベストプレゼン賞はロボット経験が多く、ロボカップ上位大会出場経験者が受賞。その経験を披露してくれました。
今大会は、全チャレンジマルチチームで行われました。チームメンバーとは会場で初めて顔を合わせることになります。ロボットだけでなく、チーム間でのコミュニケーション能力、限られた時間の中でチームとして戦略を立てる能力も評価されることになりました。通常のロボットコンテスト以上に、他チームと交流を持つことができた有意義な大会になったことと思います。
※サマーチャレンジの結果はRISE科学教育研究会HP(http://www.rise-j.net/)で公開されています。
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★トゥルースの視線(第62回)★
―RISEサマーキャンプ2011報告 科学三昧の3日間―
高尾は暑かった。『サイエンス・キャンプ』(子どもゆめ基金助成活動)を行った8/9~11、高尾は猛暑日を記録。初日のうだるような暑さの中での高尾山登山に始まり、最終日にはスコールのような雷雨で戸外から慌てて室内に逃げ帰ったり、一瞬の停電に驚いたり。しかし、そんな暑さに負けないくらい熱い科学活動を行いました。
2005年にスタートし、2007年に場所を高尾に移したRISE科学教育研究会(中島晃芳代表)主催の『サイエンス・キャンプ』は、普通のキャンプとは一味もふた味も違います。テントを張ったり、飯ごう炊さんのご飯を食べたり、キャンプファイヤで楽しんだりするのは当り前。専門家による自然観察、昆虫採集、食育講座は毎年恒例です。
定番の中でも最も特徴的な活動は、「データロギング」。レゴ社製のロボット製作キットを用いて、各種センサーが取得したデータをパソコンにアップロードし、データを読み取る活動です。センサーを使った「暗号解読ゲーム」も、子供たちが熱中するメニューの一つです。
今年は、エネルギーや環境問題と関連付けながら「データで探る山の自然」をテーマとしました。登山の最中に光センサーと温度センサーでデータを収集し、道中の環境や体感温度の変化との関連を考察しました。チームごとに登山ルートが異なるので、それぞれのルートの特徴が表れた異なるデータが得られたことは、とても興味深いことでした。自然観察の専門家からは高尾山の環境の変化と生物の変遷について学びました。また、エネルギーを自分で作る火起こし体験や、自分たちで制作したソーラークッカーを使ってのゆで卵づくり。二酸化炭素の発生実験や温暖化実験、植物の光合成実験、風力や太陽光による発電の実験。これらをデータロギングと組み合わせて行いました。そして、燃料電池カーの製作と実験、競技も。
アメリカで開発された環境教育プログラム『プロジェクトワイルド』は、昨年導入しました。これは「自然を大切に」と理解するだけでなく、「自然や環境のために行動できる人」を育成することを目的としています。
今回のキャンプのフィナーレとして、『トンボ池』というアクティビティを行いました。トンボ池という美しい自然を残す池に水力発電所をつくる計画が持ち上がりました(設定はオリジナルのものをアレンジしています)。参加生徒たちは電力会社や関連企業、住民などの立場に立って自分の意見を主張し、最終的にどこにどんな施設をつくるかを決めなければなりません。これは単なるディベートではなく、相手の主張を打ち負かせばいいという訳ではありません。自分の立場を主張しつつ合意形成を図らなければならないのです。各チームは合意形成の結果に基づく地図を手にして、修了式の場で父母の皆様の前で発表しました。しかし、話はそれだけでは終わりません。最後には、周辺地域や国、世界との関わりを考えなければならないことに到ります。生徒たちは皆、真剣に考えて議論し、短い時間の中で多くのことを学んだようです。
目まぐるしいスケジュールでしたが、参加生徒は朝早くから原っぱを駆け巡ったり、ツリーハウスで飛び跳ねたりと到って元気です。活動中もうつらうつらと舟をこぐ子もいません。よほど充実した時間を過ごしていたのでしょう。帰宅してから一気に疲れが出たのではないでしょうか?
年間を通した教育活動『こどもロボット研究室』の一環として、9月には2泊3日の『ロボットの鉄人』合宿、10月・11月には『自律型ロボット製作講座』を開催予定。子供たちの輝く笑顔と未来を思い描きながら、RISEは新しい学びを提言し続けます。