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2013年4月24日水曜日

2013年4月

全13チーム、34人がジャパンオープン東京へ!
-ロボカップジュニア2013関東ブロック大会結果-


3月31日(日)都立産技高専にて、ロボカップジュニア2013関東ブロック大会が開催されました。
東東京、神奈川西東京、千葉、茨城の各ノードから選抜された全66チーム190人が、GWに開かれる「ジャパンオープン2013東京」出場を目指し、熱戦を繰り広げました。

当アカデミーからは、全17チーム39人が参加しました。
結果は以下の表のとおり、サッカーAとレスキューBをのぞいて、Truthが独占。
全12チーム34人がジャパンへの切符を手にしました。

<関東ブロック大会結果>
赤字はTruthチーム青字はTruth講師、TruthOBチーム 

サッカーAライトウェイト チャレンジ
プライマリ
セカンダリ
混合
優勝Ice Cream Sandwitch
準優勝最強キッカーズ
3位チーム心拓
4位フィッシュスラローム
5位chaser
サッカーAオープンウェイト チャレンジ
区分
なし
優勝TKB11
準優勝Gcraud
3位HYS21
レスキューAチャレンジ
プライマリ優勝neos
準優勝R3
3位のーべる
セカンダリ優勝Amalgamζ
準優勝Team TAKUMI
3位AIboT
4位ケルベロス
5位Amalgam φ
6位T.A.R.
レスキューBチャレンジ
区分
なし
優勝M&Y
準優勝Atlantis
3位Inertia
ダンスチャレンジ プライマリ
プライマリ優勝i-Wedding
準優勝ペリーポテチ製造社
3位徳川家康公
セカンダリ優勝NARUKO
準優勝水工ダンス
ベストプレゼンテーション賞
サッカーAライト(プラ)ASI-Eggs
サッカーAライト(セカ)最強キッカーズ
サッカーAオープンHYS21
レスキューA(プラ)R3
レスキューA(セカ)T.A.R.
レスキューBInertia
ダンス(プラ)i-Wedding
ダンス(セカ)Sailors

レスキューAは、プライマリ・セカンダリ共に被災者の救出が成功できて、全体の7割くらいは点数を取れていないと上位に食い込めないという非常にレベルの高い競技会となりました。コースが難しさにも柔軟に対応し、確実に得点をとる点で、勝敗が分かれました。


サッカーはTruth講師でもある産技高専チームにはかなわなかったものの、丁寧なオムニホイルマシンの作り込みと、コーナーでのボールの掻き出しや自殺点を避ける丁寧なプログラムで上位につけました。ジャパンまでの課題はスピードとパワーのあるマシンにどう対応するか?への対策となりそうです。


ノード大会がなかったダンスは、調整がうまくいかずパフォーマンス本番で思うように動かないチームが続出。そんな中でもインタビューで確実に得点を獲得し、失敗を最小限に抑えたチームが上位を占めました。

競技結果は、プレゼンテーションポスターの良し悪しに比例するものです。今回は、多数ベストプレゼン賞を受賞できたことも喜ばしい結果です。

その中でも最も優れたチームに、特別賞「子供の科学賞」が授与されることになり、今回は「HYS21(嶋本R、安永S)」が受賞。雑誌「子供の科学」1年間購読の副賞をいただきました。「教室でみんなで読んでほしい」との本人たちの希望で、日吉校に寄贈していただけることになりました。


また、併設イベントとして2つのプレゼンテーションがありました。 

一つは、今年より世界大会正式競技となった「Co-spaceレスキュー」。2007年より毎年世界大会に出場しているレスキューチーム「M&Y」のメンター竹間様が競技紹介を行ってくれました。Co-spaceの競技は、パソコン上のバーチャルなロボットの動きと実際のロボットが連動して動く競技です。ロボットも大会会場で貸し出されるので、プログラムだけで競技ができるので費用の負担がかからず、遠く離れている者同士がチームを結成してネットでやり取りしながらプログラムを開発できるという利点があるとのことです。

もう一つは、サッカーB。2012年ジャパンオープン優勝、4年連続世界大会出場している「Team KURU-MIRA」の千葉君が2012メキシコ世界大会の報告をしてくれました。現在、フィールドに柵がついているサッカーAと柵が付いていないサッカーBとがありますが、今年の世界大会よりサッカーAがなくなり、全てサッカーBになります。より実際のサッカーに近づく方向へとルールが改正される中、有意義なプレゼンテーションでした。

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<ロボカップジュニア2013 開催概要>

◆ジャパンオープン:5月4日(土祝)~6日(月祝)
  玉川学園キャンパス(小田急線玉川学園前)

◆ロボカップ2013世界大会:6月24日(月)~30日(日)
  オランダ・アイントホーフェン

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ロボット・ベーシックⅠ2012卒業チャレンジ
-「グリーンシティ・チャレンジ」結果発表-


3月20日(水祝)トゥルース・アカデミー飯田橋校において、当アカデミーのロボット・サイエンスコースの1年目のステップ「ロボット・ベーシックⅠ」の1年間の総まとめとして、ロボット・ベーシックⅠ卒業ロボットコンテスト「グリーンシティ・チャレンジ」を開催しました。
当アカデミー全教室のベーシックⅠの生徒、全6チーム15名が参加しました。
また、当日は多くのご家族に応援に来ていただきました。ご父母の皆様には、窮屈な思いをさせてしまいましたが、大変盛り上がった大会となりました。
ベーシックⅠでは、1年間プログラミング制御の基本となる、モーター制御、センサーの基本的な使用方法について学習を進めてきました。その成果を試す卒業課題となるロボットコンテストです。

グリーンシティは世界の教育現場で行われているロボットチャレンジ課題です。

エネルギーや環境問題をテーマに大きく分けて6つのミッションが設定されています。各ミッションをクリアするためには、プログラムだけではなく、ものを運ぶ、ボタンを押すなどのハード面、メカニズム面でも工夫が必要になります。

当アカデミーでは、2011年度より取り組みはじめ、2回目の開催となります。今年度は、昨年の個人競技からチーム競技とする大きなルール変更を試みました。チーム活動ということで昨年度より、1人が取り組むミッションが少なくなり、各ミッションの完成度が上がりました。また。チーム間で刺激しあい、協力し合い、昨年以上の多くのアイデア、アプローチ方法が生まれました。改めて、チーム活動、競技の意義、効果を実感できる大会となりました。

優勝は飯田橋校④(W・T小5、A・Y小5、I・M小4)が勝ち取りました。各所にこれまでに研究したセンサーを効果的に使用する、ライントレースを取り入れるなど、1年間の学習を多く取り入れられたことが優勝につながったと思います。


新年度にベーシックⅡに進級すると、この「グリーンシティ・チャレンジ」に参加した皆は、世界的なロボットコンテストである「ファーストレゴリーグ(FLL)」もしくは「WRO」にチャレンジします。

今後もロボットの研究を進め、発想力、技術力をつけ、さらなる活躍を見せてくれることと期待しています!



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日本の子供たちに『考察力と分析力』を!
-ダヴィンチジュニアⅠ・Ⅱに新データロガー導入-

日本の子供たちは理科実験が大好きです。科学館でのサイエンスショーや体験授業も盛んですし、理科実験教室もたくさん出来ています。

それなのに、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)でも、昨年初めて理科が導入された全国学力テストでも、「日本の子供たちは考察力と分析力が弱い」という結果が出ています。

これは一体どういうことでしょう?

考えてみれば当たり前のことです。材料を与えられて、決められた手順で実験し、予定された結果になる実験を、どんなに繰り返しても考察力や分析力が育つはずがありません。

 欧米の先進的な理科実験にあって、日本の理科実験にないのが『データロガー』です。センサーを使って精密な実験データをとる電子機器のことです。放射線の線量を調べるのにも活躍していますし、病院や製造業などでは当たり前に使われています。

これを教育に活用しているのが世界の潮流となっています。データをとるためには、設定を行わなければなりません(=手順を考える)。また、結果グラフを読み取らなければなりません(結果を分析して考察する)

TIMSS(国際数学・理科教育調査)では、アジア型詰め込み教育から「Teach less, Learn more(当アカデミーが行っているコンストラクショニズムの教育)の政策に切り替えたシンガポールが、理科において2003年から一位を連続しています。この転換期に一気に普及したのが、『データロガー』です。

これまでダヴィンチ・ジュニアの科学では、教育用レゴマインドストームNXTを使ってきましたが、今年度より最新式の本格的学習用データロガー『イージーセンス・ビジョン』を導入します。センサーの精度も上がり、使用できるセンサーの種類もはるかに増えます。

日本の子供たちにも、考察力と分析力を育成する強力なツールを使った教育を提供していきます。ご期待ください。



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2013年度 第1回「算数・数学思考力検定」
-6/29(土)日吉校、6/30(日)飯田橋校で実施-


2012年度第3回「算数・数学思考力検定」の合格者を以下の表の通り発表します。

今回も当アカデミー在籍生は、全員合格。満点合格者もでました。
受験対象の学年より低学年でも合格できた生徒もいます。

2013年度第1回は、6月29日(土)日吉校、30日(日)飯田橋校にて実施します。ぜひ挑戦してください。

お申込みは、以下の申し込みフォームからどうぞ。


 

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トゥルースの視線<第77回>
「リケジョ(理系女子)」の時代到来?②
-なぜリケジョは少数派なのか?(その1)-

十数年前でしょうか、当アカデミーが学習塾だった頃、算数が抜群に得意な女の子がいました。
夏休みに行った特別授業では、小6と中3の受験生全員に同じ図形問題を出題するという恒例行事があり、その年は彼女が一番先に正解し、全員の前で解説授業を行いました。

数年後彼女が大学生になった頃、街でその母親と偶然会い、こんな話を聞きました。「ウチでは小さい頃からテレビゲームを禁止していたせいでしょうか?大学生になってもコンピューターに興味がないみたいで・・・。子供に何を与えるか、与えないか、という判断は親としてはとっても難しいことですね」と。

理数教室としての当アカデミーでは圧倒的に男子が多く、国内のロボットコンテストでもその傾向は変わりません。このような現状を考えるとき、前述の母親の言葉が思い出されます。ひょっとして育て方、教育の仕方にリケジョが生まれることを阻む要因があるのではないか?

河野銀子氏(山形大学地域教育文化学部准教授)は、『女子高校生の「文」「理」選択の実態と課題』という論文で、実に興味深い研究結果を発表しています。

「理系女子の約6割が高校時代に専攻を決定しており、その決定は担任や理数系教科などの教師の影響が強い。理系女子は自分だけで専攻を決めるのを逡巡する傾向があるためだ。『女子は文系向き』という社会通念に逆らって理系の世界に飛び込むには、他者からの助言や励まし、ロールモデルを知ることが重要である」と言うのです。

河野氏は、高校での進路選択は生徒の関心と学力で行われるものの、これらは高校になって急に生じるのではなく累積的に蓄積されるものなので、小中学生の理科の学力や関心について言及しています。

PISA(OECD生徒の学習到達度調査)TIMSS(国際数学・理科教育調査)の国際学力調査を見る限り、日本の中学生の科学的リテラシーにおいて、男女間に学力差はない。

■高得点にもかかわらず、日本の子供たちの理科に対する関心や態度が非常にネガティブであり、ネガティブさは女子により顕著である。

■国内の比較的大規模な調査では、中学入学後に女子のネガティブさが好転せず、中1から中2にかけてますます理科が嫌いになっていくことが明らかになっている。

日本の小中学生の女子の理科の学力は男子と変わらないが、理科への関心は男子より低く、その差は学年進行とともに拡大する実態が明らかになったという。一体なぜなのだろうか?

アメリカ大学女性協会(AAUW) のレポートでは、特に数学と理科の授業で、教師から生徒への働きかけにおいて男子生徒に対する期待度が高く男女差がみられる、と指摘している。

イギリスの理科授業に関する研究と実践のプロジェクト(GIST)では、男子が実際以上に男性的に見えるような行動をとることがあり、教師がそれを強化している、と。

科学そのものがもつジェンダー・ディバイス(西洋近代科学が白人男性の価値や行動と親密であること)が学校での科学でも浸透しているため、女子の興味や話し方、学び方が授業で期待されている科学的態度や価値と異なり、そのため女子は周辺に置かれている、というオーストラリアの研究もあるとのこと。

このように、欧米の研究では、理科授業での教師や男子生徒の態度、そして理科という教科の特性自体も、女子が理科に対してネガティブになっていく要因であることを指摘しています。

では、日本の教育現場では、どうなのでしょうか?
次回、その理由をご紹介したいと思います。


トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳