トゥルース・アカデミー2010夏
― 環境学習、ロボット工作の講座など多数! ―
先月号でお知らせしたRISE科学教育研究会主催「サイエンスキャンプ」「オーシャンプロジェクト」に加え、当アカデミーでは、ロボット体験やロボコン、2日間連続のテーマごとの講座「夏期特別授業」など盛りだくさんの内容をみなさまに今夏もご提供いたします。いずれも在籍していない一般生も受講可能ですので、是非ご紹介下さい。
「夏期特別授業」小1~小3の講座では、環境教育プログラム「プロジェクト・ワイルド」から「昔と今」を新しく導入。航空写真を見る経験をしたり、緑や住宅の率をグラフで表現するといったトゥルースオリジナルの要素も取り入れ、環境の変化をビジュアル的かつ数学的に考えます。
小4生以上の講座では、「歯ブラシで動く!てんとう虫ロボットがオススメ。難しいけれど楽しい工作活動と、パソコンを使わないプログラムを体験し、ロボットとは何か?を体験できる講座です。
RISE研究会主催ロボットサイエンス・ラボ在籍生も出場する、夏休みロボコン「サマーチャレンジ2010」は8月29日(日)に開催。今年も都立高専の協力を得て、同校ホールで行います。例年、ロボカップ競技に通じるようにルール改訂を行っています。今年はレスキュー新ルールに合わせ、発見する「お宝」をレスキュー被災者にあたる缶に変更。
ルールはRISE科学教育研究会HP(http://www.rise-j.net/)で公開中です。
トゥルースの夏をたっぷりと楽しんでください!
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目指せ!最強のサッカーロボット
- 自作マシン製作講座開講! -
今年のロボカップジャパンオープン2010では、ダンス1チーム、レスキュー3チーム(卒業生チーム1チーム含む)が世界大会出場を果たしましたが、サッカーは残念ながら予選という悔しい結果になりました。近年、関東ブロックのサッカーが停滞しており、今年も関東のチームの多くは決勝に進むことができずに唇を噛みしめました。
そこで、ロボット・マスターオープン講座で、拡張性の高いロボットキット「ロボデザイナー」をベースに『自作マシン制作講座』を開講することに決定しました。
オムニホイルを使いこなしたい!、パワー、スピードのあるロボットを作りたい!、多くのセンサーを使いたい!、世界大会に出場したい!、という夢を実現するロボット、世界大会に出場できるロボットを自作していきます。
講師は、世界大会出場経験のある奥山先生が担当。ロボカップ創世記からロボカップに参加し、引退後も審判、スタッフとしてロボカップに参加しています。また、後輩の指導にも熱心に取り組み、指導者としても活躍しています。
ロボット・マスターオープン講座は当アカデミー在籍生でなくて、誰でも参加できます。友達もお誘いの上、奮ってご参加下さい!来年は自慢の自作マシンで世界大会を目指そう!
詳細、お申込みは当アカデミー、ホームページにて
http://www.truth-academy.co.jp/SelfRobot/index.htm
【講師】奥山弘祐
筑波大学 理工学群工学システム学類4年生
・2002年 福岡世界大会ベスト16
・2004年 ジャパンオープン大阪4位
・2006年 ジャパンオープンマルチチーム優勝
ブレーメン世界大会出場
詳細、お申込みは当アカデミー、ホームページにて
http://www.truth-academy.co.jp/SelfRobot/index.htm
【講師】奥山弘祐
筑波大学 理工学群工学システム学類4年生
・2002年 福岡世界大会ベスト16
・2004年 ジャパンオープン大阪4位
・2006年 ジャパンオープンマルチチーム優勝
ブレーメン世界大会出場
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世界大会へ向け準備万全!
― 必勝!英会話講習会を開催! ―
6月13日(日)、飯田橋校において、世界大会出場メンバーを対象に英会話講習会を開催しました。世界大会は、日常的な会話はもちろんのこと、会場のアナウンスや競技の進行など全て英語で行われます。また、英語でプレゼンテーションも行わなければなりません。ネイティブスピーカーであるVince Marx先生を講師に招き、日常会話やプレゼンテーションに関してレクチャーを受けました。
最初は照れくさそうにしていた選手達も、世界大会という大きな目標のために、だんだんと積極的に発言するようになってきました。世界大会という大きな舞台での戦いは既にはじまっているようです。今回の講習会、経験が将来、世界で活躍する人間になるための一歩となることを期待しています。
この記事が皆様のお手元に届くころは、世界大会真っ最中です。シンガポールの地で熱戦を繰り広げる選手達に日本より熱いエールを送って下さいますようお願いいたします!
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★トゥルースの視線(第53回)★
数学的テラシー③
「数学的リテラシー」を育てるには?
筑波大学の清水美憲氏は、以下のように提言しています。
「PISAの枠組みは、数学的リテラシーを身につけるということの意味を、基礎的な知識や概念のリストや技能の単なる獲得としてではなく、身のまわりの状況や文脈の中で事象を数学の眼でとらえ問題を解決することができるようになること、そしてその過程で用いられている数学的方法とその意義を知ることまで含めて考えることの必要性を示唆している。数学的リテラシーを身につけることによって、身のまわりの問題場面で必要な情報を的確にとらえ、根拠をもって判断し、そのような過程を数学的な方法を用いて表現することができるようになる。そして、この一連の過程で用いられる能力は、これからの時代において、ますます重要になる」
「これからの数学教育では、身のまわりの事象に見られるパターンや形の特徴を数学的に探り、量について、また変化のようすについて数学的に読み解き、それらを数学的に表現して把握する力に焦点を当てることが重要である」という、アメリカの数学者リン・アーサー・スティーンの言葉を引用し、数値、表やグラフ、形などさまざまな形式で身のまわりにあふれる情報を数学の眼で正しくとらえて比較・評価し、その解釈に基づいて的確に判断を下す能力の重要性を指摘しています。
そして、「数学の眼で事象を読み解く力の育成」には、以下の3つが必要だと述べています。
①問題の場面における数量の関係を概括的にとらえ、グラフを用いてそれを数学的に表現したり、 数学的に表現された式かやグラフから情報を読みとったりする力の育成。
②表やグラフなどの形で与えられたデータから適切に情報を読み取り、それに基づいて的確に判断を下す力の育成。
③日常生活には、見込みや偶然性、不確実性に関する情報が数多くある。この不確かな事象について判断を行なうこと、そしてその判断の根拠を説明できるようにすること。
トゥルースの視線(第50回)で、データロガーなどを用いた欧米のICT教育に触れましたが、まさにPISA型の学力形成を目指し、科学的・数学的リテラシーを育てる教育を実践しているように感じます。長年数学教育に貢献してきた杉山吉茂氏も、数学教育にテクノロジーを利用して問題解決力を高めることを強く提唱していますが、日本ではなかなかその重要性が理解されず、「これから先の日本を考えると、居ても立ってもおれないほどの焦燥感を感じざるを得ない」と日本の現状を嘆いています。
当アカデミーの算数アカデミーでは、数や形の規則性を発見して数式で表現する活動を中心に行っており、科学アカデミー(エレメンタリ)では、表やグラフ、データロガーの導入により、科学的かつ数学的な眼で事象を読み解く実験を行っています。
また、ブロック・サイエンスやロボット・サイエンスでも、算数・数学をものづくりという実践の中で触れざるを得ない場面が多々あります。
生徒たちが今まさに行なっている学習が将来の生活と直接的なつながっていることを実感し、道具として数学を使いこなして活動する姿を思い描きながら、微力ではありますが、世界が今目指しているPISA型の学力の育成に少しでも貢献できればと強く願っております。
【参考文献】
『数学的リテラシー論が提起する数学教育の新しい展望』清水美憲(筑波大学)
中学数学の新しいカリキュラム』杉山吉茂(東京学芸大学名誉教授)
【参考文献】
『数学的リテラシー論が提起する数学教育の新しい展望』清水美憲(筑波大学)
中学数学の新しいカリキュラム』杉山吉茂(東京学芸大学名誉教授)