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2016年8月5日金曜日

2016年7月


今年もやってきた、NESTロボコンの熱い夏!
-さらにメンバー間・ロボット同士の協力を求める新ルール-
 
 
2012年にICTを利用した教育実践活動の全国コンテスト「ICT夢コンテスト」を受賞し、今年で12年目を迎える「NESTロボコン」は、828日(日)東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパスで行います。2011年より、ロボカップジュニア世界大会で行われている、他のチームと組んで競技を行う「スーパーチーム方式」を導入。今回はさらに協力が必要になるようにルール改訂を行いました。


NESTオリジナル競技「KokohoreWan Wan!」(初心者向け)は、黒や銀の宝が隠し場所があり、白銀の像が置かれた野原エリアが2か所に増え、その間に宝玉が眠っている洞窟エリアが追加されました。変化に富んだフィールドになり課題も増え、チーム内でのロボットの役割分担を行う必要があります。「レスキューチャレンジ」は、ロボカップジュニアのレスキューLineのルールをベースにします。2台のロボットが1つの建物を別々のルートで進み、1台が被災者を避難ゾーンから一時避難エリアに出し、もう1台がその被災者を建物の外に救出するというミッションです。ロボットの役割分担に加え、被災者の受け渡しというロボット間の協力が必要となります。「サッカーチャレンジ」は例年通り、2013年オランダ世界大会から行われているビッグフィールドで、5vs5台のロボットサッカー競技を行います。今回はこれに、テクニカル競技「ビューティフルゴール!」を加えました。ビッグフィールドの試合でロボットが協力する一方、個々の技術力を競う要素を加えました。


NESTロボコンでは、自分のロボットで誰もが参加できる「ライントレースタイムアタック」(競技)や「ロボットサッカープロジェクト~初めてのロボット製作」講座&サッカー競技交流会(要予約、有料)、ロボカップジュニアの紹介、RoboCup2016Leipzig(ライプチィヒ・ドイツ)世界大会の出場チームによる報告会も行われます。

ロボット競技に参加したい人、他のジュニアロボカッパーと交流したい人、これからロボット製作やプログラミングを学んでみたい人、ロボカップジュニアに興味のある人、ロボカップ世界大会の情報を得たい人、ロボット教育の指導者を目指す人…大歓迎!ぜひ、いらしてください。
 
 
■NESTロボコン2016開催概要
 
◆開催日:
 2016年8月28日(日)9:00~17:00予定

 ◆開催場所:
 東京都立産業技術高等専門学校・品川キャンパス
  https://www.metro-cit.ac.jp/

 ◆競技:※事前エントリー制
  ① Kokohore! WanWan!:初級者向けオリジナル競技新バージョン
② レスキューチャレンジ:ロボカップジュニア・レスキューLineルールの要素をとりいれたオリジナルルールで!
③ サッカーチャレンジ:ロボカップジュニア世界大会を基にした5対5のビッグフィールド競技!
  ※競技見学は自由(無料)。ぜひ、応援に来て下さい!

 ◆ルール:
NESTホームページhttp://www.npo-nest.org/で公開中!

 ◆同時開催【予定】
 ・『ロボットサッカープロジェクト入門講座、交流競技会』(有料)
 ・『ロボカップジュニア説明会、2016ライプツィヒ世界大会報告会』
 
 ※詳しくは、http://www.npo-nest.org/workshop/robocon.html をご覧ください。


トゥルース・アカデミー ロボット・サイエンス



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先輩から受け継ぐロボット開発合宿「ロボットの鉄人2016」
サッカービギナーズリーグの講座を新設!



ロボットの鉄人は2011年からスタートしたロボット開発のための合宿。ロボカップジュニア世界大会出場経験のある先輩たちを「ロボットの鉄人」と呼び、鉄人を指導者としてその技術や思想を学びながら自分のロボットを進化させていく場です。この合宿からジャパンオープンや世界大会に多くのチームを輩出しています。世界チャンピオンに輝いた人もいます。2011年にICTを活用した教育実践事例の全国コンテスト「ICT夢コンテスト」を受賞した活動。今年も、シルバーウィーク(9/17[]9/19[月祝])に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催します。
 


 
今回もArduinoTJ3Coreを使用した自作サッカーロボットを行います。現在のルールで最強のマシン製作を目指します。レスキューLineMazeLEGO MindstormsC言語で制御することの加え、Arduinoと組み合わせた講座を行います。Arduinoと組み合わせることにより、使えるセンサーの数や種類が飛躍的に多くなります。
 

初心者向けのベーシックコースの内容は大きく変わります。これまでMindstormsを使用して基本からサッカーとレスキューの基礎まで学んできましたが、今年はダイセン電子工業社製TJ3を使用してロボカップジュニアのサッカー・ビギナーズリーグ出場を目指す内容となります。ビギナーズリーグは世界大会まで用意されていませんが、ジャパンオープンまでは参加でき、レベルを上げることにより世界大会公式種目に参加できる基礎をじっくり学ぶことができます。ロボットの鉄人では、初めてのサッカーロボット製作(1日目) 、オリジナルサッカーロボットにしよう(2日目)、サッカー競技交流会(3日目)を行います。さらに、関東ブロック大会ビギナーズリーグエントリー説明会、12月の関東ブロック大会エントリーに向けてのチーム交流を実施し、ロボカップ2017大会へのチームエントリーのサポートを行います。関東ブロック委員長と埼玉ブロック委員長がNESTの理事ですので、ロボカップジュニアの普及事業として両ブロックが全面的にサポートしてくれます。

本気でロボット製作とプログラミングによるロボット制御を学びたい人、極めたい人には絶好のチャンスです。奮ってご参加ください。
 
 
■ロボットの鉄人2016 開催概要
 
◆開催日:9月17日(土)~19日(月祝) 2泊3日 

 ◆定 員:30名  
 
◆参加費:37,800円(宿泊・食費込)

  ◆開催場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木)
      http://nyc.niye.go.jp/

 ◆募集対象:小学5年生以上(ロボット、PC持参できる方)

 ◆申込:8月5日(金)~NESTのHPで http://www.npo-nest.org/
 
 
■NESTロボカップOB会2016 開催概要
 
◆開催日時: 9 月19 日(月祝) 18 : 00 ~ 20 : 00
 
◆開催場所: 国立オリンピック記念青少年センター カルチャー棟2 階レストランとき
 
◆対象: 高校生以上
(ロボカップに出場経験がある、メンター・指導者・保護者として関わった経験がある)
 
◆会費( 予定) : 1,500 円~ 3,000 円
 
◆申込: 鉄人2016 と同時にNEST のHPで http://www.npo-nest.org/
 
 
詳細は、http://www.npo-nest.org/ をご覧ください。
 
 
 
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ロボカップ2016 ドイツ・ライプツィヒ世界大会報告
rescuejo、総合5位・ロボットコミュニケーション賞受賞!
-駆け抜けた!怒涛の1カ月-


 630日~73日、バッハの過ごした音楽の街であり、旧東ドイツ地域の「平和革命の地」と呼ばれるライプツィヒにてロボカップ2016世界大会が開催されました。市の中心部からやや離れた会場のライプツィヒ・メッセは、この地域では最大の見本市会場。広大な敷地に、大きなロボットやフィールドを使用するメジャーリーグ会場、企業のブース、カフェやレストラン、歴代のロボカップトロフィーやTシャツが展示されたコーナーがありロボカップ一色に染まった雰囲気でした。

 会場ライプツィヒ・メッセ

 ジュニアリーグに日本からは全15チームが出場。昨年から各チャレンジ1チームのみが世界大会に推薦されるのが基本でしたが、今回は他国チームの辞退によりサッカーライトウェイトプライマリ2チーム+オープン2チーム、OnStage(旧ダンスチャレンジ)プライマリ1チームが日本から追加推薦されることが5月末に知らされました。これにより、当アカデミーからOnStageプライマリに日吉校で結成した「rescuejo (西村H・吉備T・竹島I・鈴木T)」が出場決定!通常であれば3月末のジャパンオープンで出場が決まり、約3カ月の準備期間があるところを1カ月も無い状態でした。特にOnStageは、今世界大会から新ルールになったことで、その対策と、英文書類やプレゼンテーション準備など課題山積み。怒涛の3週間ちょっとを、メンバー保護者・当アカデミースタッフ総出で協力してメンバーを叱咤激励。息切れ状態でやっとたどりついたドイツでした。当然、ツアーも急な追加手配となり、3月末から出場が決まっていたチームの班よりも遅い出発、早い帰国、ホテルも会場から離れたところ…と追加チーム班は過酷な状況。とはいえ、市の中心部のホテルに宿泊できたので、街の雰囲気が感じられ、毎日ヨーロッパ名物トラムに乗って会場まで通えたことは、楽しい思い出となりました。伝統的な市の中央駅の正面にロボカップの横断幕が掲げられ、街のあちこちにポスターもあり、現地の新聞一面で紹介されるなど、歓迎ぶりは十分に感じられました。
 
 ライプツィヒ駅
 
OnStage(オンステージ)」と名称が変わり、新ルールとなって大きく変わった点は、オープンテクニカルデモンストレーション(以下OTD)という審査が新たに加わったこと。パフォーマンス40%、インタビュー30%、OTD30%の割合で各分野審査され、総得点で順位が決まります。OTDはステージ上で、各チームが5分以内で、ロボットの特徴や技術、開発過程などを実際に動かして実演しながら紹介するのがルールです。パフォーマンスは2回行い、得点の高い方が採用されます。
 
 パフォーマンス風景
 
 OnStageには25か国からプライマリ19チーム、セカンダリ23チームが参加。スケジュール概要は出発3日前にメールが来ましたが、あとは全て現地についてから情報収集、という例年の世界大会スタイルなので、英語がキャッチしづらい日本人チームは協力し合って情報交換することが重要でした。

6/28深夜にホテル到着、翌朝830から受付開始でした。無事に受付を済ませるとTシャツやバッグなどの記念品を受け取り、その日は会場で調整ができます。OnStageは到着したチームからインタビューも開始されました。国内大会ではインタビューは比較的高得点だったrescuejoは英語での不安を感じつつも、書類はしっかり準備、自分のロボットのセンサー名の英語ぐらいには反応できるように備え、通訳付きで挑みました。審査員5名と、ドアが閉められた個室での約15分の面接試験のようなものです。rescuejoメンバーは、比較的落ち着いて対応できたと安堵な表情で出てきました。
 
 本競技会初日はパフォーマンスの1回目です。国内大会のように、リハーサルが無いので、段取りや音響との打ち合わせが満足に行かずドタバタでパフォーマンスを終えるチームが多い中、rescuejo90%の出来栄えで、審査員含め会場は一番の盛り上がりを見せました。パフォーマンス1回目だけの得点では堂々1位でした!
 
  オープンテクニカルデモンストレーション風景

2日目はOTD。この新ルールの対策をしていないチームが、プライマリでは多い状態でした。rescuejoは、ルールは読み込んでいたものの、英語でOTDを披露する準備時間が無く、パワーポイントでは英文で説明し、ステージでは堂々と日本語で話すことにしました。パフォーマンス1回目でうまくいかなかったロボットの動きが、この場で実演できたことで、ここでも会場を沸かせることができました。インタビューが質疑応答形式であるのと違い、OTDは観客も聴くことができるプレゼンテーションで、いわば学会の発表のような雰囲気です。密室で行うインタビューは、審査員とメンバー以外見ることができない場なので、OTD形式は指導者や保護者にとっては好評だったようです。そしてこの日の夕方にジュニアパーティーが催されました。バスケやバレーボールなどスポーツが自由にできる場が用意され、言葉が通じなくても楽しく過ごせるように工夫されていました。rescuejoはパフォーマンスで使用しているピロピロ笛をお土産として、海外の友人たちに配っていました。 
 
 ジュニアパーティーの様子

3日目はパフォーマンスの2回目。1回目の経験を経て、仕上げてくるチームが多い中、rescuejoは準備不足のあらゆる懸念が表にでてしまった、残念な結果となってしまいました。1回目がうまくいった心のゆるみもあったかもしれません。悔しさとがっかりと、怒涛の1カ月を駆け抜けた「終わった」という脱力感。世界大会だからこその、あらゆる感情が凝縮されて湧き出てきました。この日の夕方に他国チームと協力して行う「スーパーチーム」チャレンジのルールとチームが発表。rescuejoはスロバキアとポルトガルのチームと組むことになりました。気持ちを切り替えてスーパーチーム競技のロボット作りに夢中になり、他国チームメンバーとみんなで2000過ぎまで一緒に調整していました。

  super team練習風景

 旧ダンスチャレンジのスーパーチームチャレンジは、これまで特にルールが無く、他チームとテーマや音楽を決めてダンスを披露するという形式でしたが、OnStageとなった今年は競技形式のルールが発表されました。ステージ上の2本のラインの間を、ロボットがバトンタッチしながらリレーするというものです。制限時間は2分で、バトンタッチや往復できるごとにポイントがつきます。リレーする以外のロボットは応援ロボットとしてパフォーマンスするのが奨励され、それもポイントになります。

最終日はスーパーチーム競技本番と結果発表、表彰式。rescuejoはホテルに帰ってからもロボット調整に励んでいるメンバーもいましたが、なかなかリレーは上手くいかず。他チームも完璧なリレーはプライマリでは難しく、「みんなで応援する!」という人間のパフォーマンスが主になっていた感じでした。初めての試みだったので成功率は低かったですが、ルールがあってその目的に向かって活動する競技形式は、子供たちにとって有意義で円滑なコミュニケーションが生まれやすい環境ができる良い方法であると感じました。
 
 
rescuejoは総合5位、ベストロボットコミュニケーション賞という部門賞を受賞できました。他日本チームも皆、部門賞を受賞できました。今年は部門賞にトロフィーが無かったことがちょっと残念でしたが、急な出場決定から短期間でここまでの結果を得られたことは立派です。その日の夜は、ライプツィヒ大学近くの展望レストランで、美味しいドイツ料理を食べて最後の夜を楽しみました!観光の時間もほとんどありませんでしたが、生涯忘れられない貴重な体験ができた充実した滞在期間になりました。

サッカーやレスキューでも日本チームは良い結果を得ていました。今回、OnStageスタッフとして入っていたのでほとんど他チャレンジが見られず、詳細報告できず申し訳ないのですが、8/28(日)のNESTロボコンで、各チャレンジで出場した関係者からの世界大会告会が開催されます。来年の大会に向けて対策やヒントが見つけられる機会です。ぜひ、ご参加ください!!

 
rescuejo引率者・池田)
 
 
 


トゥルース・アカデミー ブロック・サイエンス
http://truth-academy.co.jp/bs/

トゥルース・アカデミー リトル・ダヴィンチ理数教室
http://truth-academy.co.jp/lv/

トゥルース・アカデミー ロボット・サイエンス



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