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2014年1月18日土曜日

2014年1月

FLL(ファーストレゴリーグ)東日本第2ブロック大会
-緊張のロボコン!経験を糧に次へ生かそう!-


去る12月22日(日)東京工業大学大岡山キャンパスにて、「FLL2013東日本第2ブロック大会」が開催されました。


 参加チーム数は45チーム。当アカデミーからは、ロボット・ベーシックⅡクラスの飯田橋校チーム「IID」と、日吉校・飯田橋校合同チーム「レスキューフォース」の2チームが参加。3つのプレゼンテーションと3回のロボット競技の練習、3回の競技本番が行われ、とても慌ただしい一日でした。


 皆初めてロボットコンテストに参加するということもあり、また午前中に3つのプレゼンが集中したため、緊張の連続でスタートしました。
 
「IID」のプレゼンは最初は元気がいいのですが、審査員との質疑応答になるとトーンダウンしてしまい、少し残念。「レスキューフォース」は終始落ち着いて受け答えしていました。
両チームとも、今年のテーマ『Nature’s Fury! (自然の猛威)』に沿って、土石流や火砕流に着いて調べ、自分たちなりにその対策を考えていたのは、とても感心しました。
 
 
 フィールドでの練習では、慣れていないこともあってか、最初は何を目的として練習をしたらいいか、絞り切れていない様子でした。しかし、その後皆でアイデアを出しながら戦略を立て直したり、ロボットを改造したりして、普段の練習以上の得点を獲得することができました。

 しかし、残念ながら全国大会出場は果たせず。今度はいよいよロボカップジュニアへの挑戦となりますので、この経験から得たものを十分に活かし、大きく飛躍してくれることと思います。
 
 
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ロボカップジュニア2014関東ブロック大会結果報告
-レスキュー強敵続々!サッカーB進化中!-
 
 
12/23(日)、都立産技高専品川キャンパスでロボカップジュニア関東ブロックが開かれました。
 当アカデミーからは、ダンス3チーム、サッカーBに8チーム、レスキュー4チームの計44名が出場し、下の表のような結果となりました。

 まだ競技運営の方法が確立されていないサッカーB。ノード大会では止まりがちだった試合進行を活性化させたり、選手が副審の役割を一部になったりなどの工夫がされました。関東ブロックでのこの経験を日本大会でも生かしていきたいと思います。
 

 世界大会レベルと言われる関東ブロックのレスキューでは、常に上位を占めてきたトゥルースですが、他チームのレベルも高くなってきて、油断ができない状況に。わずかのミスも許されない中、プライマリでは「Lightning」が着実に優勝、今年初出場メンバーだけのチーム「snake…au」も第3位に。セカンダリは上位に食い込むことができませんでした。
 
 
 ダンスでも、昨年から連続出場しているチームが多い中、ロボカップ初チャレンジのプライマリ「Tokyo・2020」が見事優勝。昨年のFLL出場メンバーの経験も生かされ、難しい課題に挑んだことも評価されました。 
 

 ジャパンオープンは3/21~23に埼玉大学で開催予定。推薦チームの発表も、大会詳細もまだ発表されていませんが全チーム希望を持って、さらなるマシンの進化に励んでほしいと思います。
 
【関東ブロック大会結果】
サッカーBライトウェイト 
プライマリ 優勝 EXTREME(神西)
準優勝 Team Fortune(茨城)
3位 WYVERN(東東京)
セカンダリ 優勝 MIM (神西)
準優勝 chaser (神西)
3位 Gcraud Air (東東京)
サッカーBオープン
区分
なし
優勝 Gcraud (東東京)
準優勝 TKB11(茨城)
3位 Gcraud Pro (東東京)
レスキューA
プライマリ 優勝 Lightning (神西)
準優勝 Silent (神西)
3位 snake…au (東東京)
セカンダリ 優勝 SSS (東東京)
準優勝 Acro (東東京)
3位 ケルベロスG(東東京)
ダンスチャレンジ 
プライマリ 優勝 TOKYO・2020(東東京)
準優勝 STJD (千葉)
3位 しんかい探検隊(神西)
セカンダリ 優勝 水工バンド(茨城)
準優勝 Show道 (東東京)
3位 Japan history(千葉)
ダンスチャレンジ 特別賞
プログラミング 東方五人組(神西)
ロボットの構造 恐竜探検隊(神西)
センサーの利用 伊達正宗(神西)
振り付け おまいり(茨城)
エンターテイメント another (東東京)
ベストプレゼンテーション賞
サッカーBライト chaser (神西)
サッカーBオープン TKB11(茨城)
レスキューA(プラ) TGB22(千葉)
レスキューA(セカ) Amalgam(東東京)
ダンス(プラ) 恐竜探検隊(神西)
ダンス(セカ) Show道 (東東京)
赤字はTruthチーム
( )は所属ノード
 
 
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『冬休みサイエンス講座』算数ゲーム大会2014結果報告
-アルゴ&トリンカで真剣勝負!-
 
 
12/22(日)飯田橋校で開催した、算数ゲーム大会の結果をご報告します。
 
冷静に確認する学習姿勢が勝因となった幼児中心のアルゴ大会、様々な計算式を組み立てる柔軟性が武器となった小学校低学年対象のトリンカ大会、となりました。
 
アルゴ大会2014結果
優勝 服部Y 飯田橋LVKⅡ
準優勝 鈴木S 飯田橋LVKⅡ
第3位 矢頭T 飯田橋LVKⅠ
トリンカ大会2014結果
優勝 黒澤D 飯田橋LVJⅠ
準優勝 岩間K 練馬LVJⅡ
第3位 高木Y 日吉LVJⅡ
 
 
 
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トゥルースの視線【84回】
2014年 新年のご挨拶
-グローバル化時代の学力とは?-
 


 
東京の元旦は、雪を頂いた富士山の凛とした姿がくっきりと見られ、穏やかに暖かく新年を迎えました

  新しき年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事(あらたしき、としのはじめの、はつはるの、きょうふるゆきの、いやしけよごと)」― 大伴家持 ―

 明けましておめでとうございます。
 
昨年123日、経済協力開発機構(OECD)は2012年に65カ国・地域の15歳約51万人を対象に実施した学習到達度調査(PISA〈ピザ〉)の結果を公表しました。日本の平均点は、数学的リテラシーが10位(06年)→9位(09年)→7位(12年)、科学的リテラシーが6位→5位→4位、読解力が15位→8位→4位と、どん底だった2006年からV次回復。明るい光が見えてきたようですが、安心ばかりしていられません。今回は数学的リテラシーを重点的に調査した結果、「数学についての本を読むのが好き」という質問に「まったくその通り・その通り」と答えた生徒は17%(シンガポール68%、上海50%OECD平均の30%)。数学に対する「不安」では、約7割が「授業についていけないのでは」「ひどい成績を取るのでは」と感じていたとのこと。「数学を学ぶことが、人生にどう関連するのか。学ぶ目的を教える教師の能力に原因があるのでは」とOECDのアンドレア・シュライヒャー教育局次長は指摘しています(12/4朝日新聞)。
 
 成長戦略に力点を置くアベノミクス「3本目の矢」で、安倍首相は「成長産業を支える人材を育成することは成長戦略の要」と、教育の重要性を強調しています。文藝春秋12月号で、ノンフィクションライターの藤吉雅晴氏は、『ドキュメント現代官僚論⑤文科省 成長戦略を後押しする「教育改革」』において、迷走し続けた日本の教育行政は今、新たな可能性を見せ始めている、と述べています。文科省の官僚は「成長の最大の資本は、人です」と言い切り、人材育成によって社会を変える、と言っているとのこと。藤原氏はPISAについて次のように紹介しています。「対象を客観視し、熟考して独自の考えで批評せよ。OECDPISAを実施した目的はここにある。OECDの狙いは、『ポスト産業化時代』のための教育だった。二十一世紀、先進国は成熟社会に突入した。従来型の産業競争を続けても、過去と同じ成長は有りえない。国家の衰退を防ぎ、時代を創造するために必要なのは、新たな価値を生み出す思考力だ。批判的かつ論理的な思考力を養い、独自に表現する―。OECDは『キー・コンピテンス』という概念を打ち立てた。平たく言えば『地頭力』である。一部のトップエリートが時代を担うのではなく、生きる力を教育で養ってほしい」と。
 
PISAの言う「コンピテンシー(能力)」とは、単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的・社会的なリソースを活用して特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応することができる力を指します。そして、「キー・コンピテンシー(主要能力)」とは、特に①人生の成功や社会の発展にとって有益 ②さまざまな文脈の中でも重要な要求(課題)に対応するために必要 ③特定の専門家ではなくすべての個人にとって重要、といった性質を持つものとして選択された次の3つのカテゴリーが挙げられています。
 
1.社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力(個人と社会との相互関係)
 
2.多様な社会グループにおける人間関係形成能力(自己と他者との相互関係)
 
3.自律的に行動する能力(個人の自律性と主体性)
 
 
この枠組みの中心にあるのは、個人が深く考え、行動することの必要性です。深く考えることには、目前の状況に対して特定の定式や方法を反復継続的に当てはめることができる力だけではなく、変化に対応する力、経験から学ぶ力、批判的な立場で考え、行動する力が含まれるのです。その背景には、「テクノロジーの急速かつ継続的な変化」、「自らとは異なる文化等を持った他者との接触が増大することによる複雑性」、「グローバリズムによって創出された新しい形の相互依存」に特徴付けられる世界への対応の必要性があります。PISAは次々回の2018年、「グローバル・コンピテンシー」と呼ばれる、多様な価値観を受け入れ、異質な背景を持つ人と協調する「世界市民」としての能力を測る要素を導入するとのこと。
 

 
 当アカデミーの「ロボット・サイエンス」の生徒たちは、中学高学年〜高校生になると、プログラミングする上で三角関数や微積分の重要性に気づいて数学の学習に力を入れているようです。これは、受験やテストで仕方なく学習しているのではなく、自分のロボットをもっと進化させたいという強い気持ちから、ロボット開発過程において生起する問題を自分なりに解決するために自主的に行っているのです。しかも、日進月歩のモーターやセンサー、プログラム言語に対応しなければなりません。そして、チームを組んでのロボットコンテストへの挑戦。コミュニケーション能力やチームワーク、プレゼンテーション能力が要求されます。大会中に起こる様々な問題は自分たちで力を合わせて解決しなければなりません。ロボカップジュニア世界大会では、他の国とチームを組んで競技に臨む「スーパーチーム」という方式が採られています。
 
 
その意味では、「キー・コンピテンス」を養うのに絶好の活動と言えるのではないでしょうか?「ブロック・サイエンス」や「リトル・ダヴィンチ」でも、コンストラクショニズム・ハンズオン学習・オープンエンドをキーワードに主体的に考え、試行錯誤して自分なりの方法で問題を解決し、自らの言葉で表現できる能力を高める努力を行っております。スタッフ一同、PISA型学力をさらに高める教育の在り方を模索し、実践してまいりたいと存じます。ご期待ください。
 
 本年もご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
 
私達の手法は特殊です。生徒が学校で学んだことを覚えたかどうかは、あまり重視しません。私達が測ろうとしたのは、知識に基づいて推論する力や、初めて経験する場面で知識を活用する力です。この方法は批判されることもありました。「生徒が初めて見る問題で成績を測るのは不公平だ」と言うのです。でも、その考え方でいけば、人生だって不公平です。人生で試されるのは、学校で学んだ知識ではなく、変化に対応できるか ― 今までにない仕事に適応し、新しい技術を使いこなせるか ― 予想もつかない問題を解決できるか、ということです。
 
OECD教育局次長アンドレア・シュライヒャー(TED「データに基づく学校改革」より)―

【参考文献】OECDにおける「キー・コンピテンシー」について(文部科学省HP
 
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳
 
 
 
 



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