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2013年10月22日火曜日

2013年10月


FLL(ファイーストレゴリーグ)2013の活動開始!
-今年のテーマは、『Nature’s Fury! (自然の猛威)』-

 
アメリカのNPO法人FIRSTLego社による、レゴのロボットを使ったロボットコンテスト「FLL2013」のフィールドが教室に届き、1222日(日)東京工業大学大岡山キャンパスで開催される「東日本第2ブロック大会」に向けて、いよいよ活動が始まりました。

当アカデミーからは、ロボット・ベーシックⅡクラスの飯田橋校チーム「IID」と、日吉校・飯田橋校合同チーム「レスキューフォース」の2チームが参加します。

FLLでは、「プレゼンテーション競技」と「ロボット競技」が行われます。プレゼンテーション競技には、チームが取り組んできたテーマや活動を紹介する「コアバリュー」(10)、ロボット競技の戦略やロボットの構造、プログラムを説明する「ロボットデザイン」(5)、現実世界の問題を解決するために新たな解決策を考える「プロジェクト」(5)と、3種類のプレゼンテーションが課されています。「ロボット競技」は、230秒の制限時間内にできるだけ多くの課題をクリアすることが要求されます。

今年のテーマは、『Nature’s Fury! (自然の猛威)』。「プロジェクト」では、自然災害を経験し得るコミュニティを想定し、自然災害が起きたときに起こる問題を取り上げること、人々の備えや安全・復興を助けるような、革新的な解決法を創り出すこと、問題とその解決方法を周りの人と共有することが要求されます。「ロボット競技」では、供給トラック、救急車、貨物飛行機、津波、避難信号、免震テスト、建築法などと名付けられた、19個のミッションが与えられています。

昨年の全国大会の様子

「東日本第2ブロック大会」で優秀な成績を収めると、来年216日(日)に行われる「FIRST LEGO League 2013 JAPAN OPEN(全国大会)に出場することができます。両チームとも初めて出場する大きなロボットコンテストになりますが、精一杯真剣に取り組んで手応えのある活動ができることを期待しています。
 
 
 
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『ロボットの鉄人2013』報告
-鉄人がとことん付き合ってくれた!2泊3日の合宿-
 
2013921()23(月祝)、国立オリンピック記念青少年総合センターのカルチャー棟練習室にて、ロボカップジュニアで世界の頂点を目指す『ロボットの鉄人2013』を行いました。2009年から今年で5年目。今回は、公益事業法人JKAによる競輪公益資金の補助事業RING! RING! プロジェクトの『新世紀未来創造プロジェクト』補助金助成事業として開催。「サッカー・コース」17名、「レスキュー・コース」10名、初心者を対象とする「ベーシック・コース11名」、小学5年生~高校2年生の計38名が参加しました。
 
 
世界大会やジャパンオープン出場経験が多いロボカップジュニアOBである大学生や大学院生、社会人を「鉄人」と名付けています。10名の鉄人が参加生と共に泊まり込み、寝食を共にしてロボット開発の指導に当たる23日、ロボット開発三昧の合宿です。随時練習競技会を行いながら、ロボットの構造やメカニズムの工夫、プログラムのアルゴリズムを互いに切磋琢磨しながら学び合っていました。また、鉄人も朝方まで取り組んでいる生徒に付き合ってくれました。
 
 
サッカー・レスキューの参加者は鉄人からロボット開発の手法と文化を受け継いでくれたと思います。ベーシックの生徒たちは、レスキューやサッカーに取り組んでいる先輩たちのロボットを見せてもらったり、対戦したりする中で、自分たちのこれからの目標をつかみ取ったようです。
 
 
1123日(土)神奈川・西東京ノード大会、24日(日)東東京ノード大会と、ロボカップジュニアの予選会が始まります。来年の世界大会はブラジルです。ブラジルを目指して、いよいよ皆の闘いが始まります。今後の活躍をご期待ください。
 
 
 
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リトル・ダヴィンチ理数教室
-科学者に育てるための授業報告-
 
 
■キッズ科学(年中~小1
年間テーマは「生きもの」。主に動物の研究になります。米国の環境学習プログラム「プロジェクトワイルド」を中心にアクティビティを行っています。幼児の科学にとって大切なことは「知ること」ではなく、「感じること」。生きものの成長のサイクルを写真やイラストの並び変えなどで楽しむ「私は誰でしょう?」。動物のイメージと正しい知識を得てからの感想を比較する「第一印象」などを2学期は取り組んでいます。全ての生きものはかけがえのないものであり、何かのために存在していることを少しでも感じとってくれればと思います。
 
■ジュニア科学(小1~小3
 
1学期2回の授業で、データロガー「イージーセンス」の温度センサーを用いて、沸点(気化する温度)上昇、凝固点(凝固する温度)降下について研究しました。前者では料理と、後者では海水が凍らない理由や流氷のメカニズムと関連付け、生活に直結した科学を行いました。2学期は1学期の内容を引き継ぎ、GEMS(ジェムズ:数学と科学の偉大なる冒険)カリキュラム『ドライアイスの調査』を行っています。テーマは「物質の3態」と「分子とエネルギーの関係」の研究。先入観を捨てて客観的に観察すること、疑問を明確にすること、原因や理由を考察すること、疑問を解き明かすための実験の方法など、科学者になるために必要な研究姿勢を育てる活動です。
 
 
 
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リサイクル・パソコン販売会社と提携
-当アカデミーHPより1クリック!
お子様にお手軽価格でパソコンをご提供-
 


 
今年3月に、アジアで最大シェアを持つリサイクル・パソコン販売会社「株式会社アンカーネットワークサービス株式会社」(東京都葛飾区/ http://www.anchor-net.co.jp/)と提携しました。これまでは、チラシで皆様にお知らせし、顧客情報を頂いてから、IDとパスワードがアンカーネットワークサービスより連絡があり、顧客専用ページから購入する、というように手続きが煩雑でした。しかし、10月より、当アカデミーホームページのTOPページに、アンカーネットワークサービスのバナーを貼り、そのバナーをクリックするだけで顧客専用ページに入れるようになりました。

特にロボット・サイエンスの生徒から、ロボットコンテストに参加する時など、「自分のパソコンがほしいのだが、どうしたらいいでしょうか?」という相談を多く受けております。決して高価なパソコンは必要ありません。手軽に安価な、そして安心できるリサイクル・パソコンを購入することができます。

ぜひ、ご利用ください。


 
 
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ICT夢コンテスト受賞「NESTロボコン」の思想②
-学び合う、学びを支援する-

■NESTロボコンの成果

参加者は、活動地域や年齢が異なるだけではなく、まだプログラミングを学んで半年に満たない者から、ロボカップ世界大会の出場者や優勝者までいた。そのため、学年差・経験差が大きな者同士でチームを組む場合も多かった。そのような中で、初対面の者同士が、チームとして競技で良い成績を出すために協力せざるをない状況を作り出すことができた。お互いにコミュニケーションをとり、チームワークを良くする努力をしなければならない。自分のロボットやプログラムを紹介し合い、チームとしてどのような戦略を採るかを話し合っていた。また、年長者や経験が豊富な者は、年少者が分からなかったりつまずいていたりする箇所を積極的に教えていた。また、チーム間の交流もあり、チームを超えて学び合う場面も頻繁に見られた。たった一日の活動ではあったが、多くのことを学び取ると同時に、多くの友達を作ったようである。

加えて、主審の補助役である副審として競技の運営に携わることにより、コンテストを運営してくれている人々の苦労を知り、感謝の気持ちも芽生えたようである。また、正しい運営を実現するために、大人と子供が真剣に意思疎通を図り、自然に協力し合っていた。

一方、運営に参加して下さった先生や父母は、子供たちが真剣に夢中で取り組んでいる姿に間近で接することにより、彼らの熱心さを十分感じとり、子供たちの活動をより深く理解し、さらに支援していきたいという気持ちが強まったようである。

当アカデミーの教育方針は「社会的構成主義」という教育理論(視線第67回参照)を主軸にし、実践しています。教師による一方的な知識の教授ではなく、子供たちが自らの活動を通して自分の力で知識を獲得し構築していくこと。そして、自分一人ではできないことでも、お友達や先輩、教師との関わりの中で、意見を交換したり刺激し合ったり、そのコラボレーションの過程で、自分の力で達成していくことが社会的構成主義の教育方法です。これは、知識や情報の活用力を求める世界標準の「PISA型学力」(視線12回参照)の育成に最も有効とされる方法です。私たち教師が行うべきことは、教えることではなく、目標課題を設定し、学びをデザインし、活発に頭脳の交流が行われる環境を整えることに他なりません。

ロボカップジュニアやFLLは世界共通の課題です。参加している中学生の中には、英語で書かれたセンサーの専門的な説明書を辞書を引きながら理解しようとしていたり、プログラミングに必要となる三角関数や微分・積分などの考え方も学んだりしている子もいます。試験のためとか受験のためとかいった、他から押し付けられた学びではありません。自分が目標を達成するために必要なことを自主的に学ぶ「内発的な学び」が可能になるのです。これは「好きこそものの上手なれ」と言うように、楽しいからこそ実現できる学びでもあります。

特にロボカップジュニアの競技会場では、子供たちの活動エリアへの大人の立ち入りは厳禁、ロボットに触れることもプログラムを教えることも禁止されています。子供たちはスケジュール管理を含め自主的かつ自立的に活動し、生起する問題を自分たちで解決しなければなりません。これは一朝一夕にはできませんので、日頃から鍛えておく必要があります。また、子供たちが自分の力で物事にチャレンジするには、絶対的な安心感が必要です。大人たちが、子供たちの活動を理解し、(直接教えたり指示したりするのではなく)陰に陽に支援することによって、その安心感は生まれます。大人は、子供をとことん信頼する勇気を持たなければならないのかもしれません。

NESTロボコンは年に1回、1日だけの活動ですが、当アカデミーの授業では継続的に長期間にわたる指導により、子供たちに学ぶ楽しさ、考える楽しさ、目標達成できた喜びを十分実感してもらい、自信とプライドを持って物事に取り組めるようになってほしいと願っています。
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳


 
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