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2014年4月21日月曜日

2014年4月

ロボカップジュニア日本大会2014埼玉大学 結果報告
-全4チームで、ブラジル世界大会へ!-
 
 
321(金祝)-23日(日)、埼玉大学にて、「ロボカップジュニア日本大会2014」が開催されました。全国から221チーム、592名のジュニアロボカッパ―が集結し、世界大会を目指して熱戦が繰り広げられました。
 
今回の大会は、ロボカップジュニア・ジャパンがNPO法人ロボカップ日本委員会から独立して一般社団法人となって最初の大会になります。大人の部門であるメジャーとジュニアとでは、大会の位置づけや運営方法が大きく異なるためジュニアは独立することになったのです。しかし、ジュニアはボランティアで運営されており、経済的な後ろ盾もないことから、すべてを手作りで行う初めての日本大会となりました。しかし、各競技の技術委員、メンターやご父母の皆様など多くのボランティアスタッフの尽力に支えられ、無事に大会を運営することができました。
 
 
当アカデミーからは、全10チーム32人のほか、産技高専に進学したTruth-OBチーム、Truth講師チームが参加しました(結果は右表のとおり)。サッカーBでは新ルール(フィールドの白線から出るとペナルティとなる)に十分対応できなかったことに加え実戦経験が少ないこともあり、思うような結果が出せなかったようです。今年度からは、「ロボット・マスター」にArduino講座も加えましたので、制御の可能性を広げ実力を向上してくれることを期待しています。


7月にブラジル・ジョアンペソア(http://www.robocup2014.org/)で行われる世界大会には、ダンス・プライマリ優勝の「TOKYO2020」、レスキューAプライマリ準優勝「Lightning」に加え、当アカデミー講師チーム「Gcraud」「Acro」が参加することが決定しました。世界の舞台で皆が活躍してくれることを祈っております。引き続き、応援お願いいたします。

■ロボカップジュニア日本大会2014埼玉大学 当アカデミーのチーム 結果一覧

サッカーB チャレンジ
ライトウェイト セカンダリchaser(菅原K・鈴木A)予選敗退(3敗1分)
ライトウェイト セカンダリMIM(宮崎J・飯田K・望月Y)決勝進出8位
ライトウェイト セカンダリEnurta (柳澤Y・井下N・平澤R)予選敗退(2勝2敗)
ライトウェイト プライマリEXTREME(鈴野N・久保寺M)決勝進出7位
ライトウェイト プライマリWYVERN(太田T・初貝K)予選敗退(1勝3敗)
オープンTKB11(川又T・内村K・城下M)予選敗退(2勝1敗1分)
オープンGcraud(篠崎R・宮下M・仲川Y・堀野K)決勝進出4位
レスキューA チャレンジ
プライマリLightning  (荒川T・植田Y・渡邉Y)準優勝
セカンダリAcro(鶴園T・松原H)優勝
ダンス チャレンジ
プライマリTOKYO・2020 (竹下H・木村K・樹神K・斎藤T・渡戸T)優勝・ベストプレゼンテーション賞
プライマリ恐竜探検隊
(朝田J・杉山S・岡田N・菅谷T)
7位・特別賞(ロボットの構造部門)
セカンダリShow道
(寺尾F・安倍S・駒場K・清水S・宮下M)
5位・特別賞(プログラミング部門)

赤字=世界大会出場チーム 青字=Truth-OB、講師チーム
 

 

 

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 ロボット・ベーシックⅠ2013卒業チャレンジ
-「グリーンシティ・チャレンジ」結果発表-
 
 
3月16日(日)飯田橋校で、ロボット・サイエンスコースの1年目「ロボットベーシックⅠ」の一年間のまとめとして、卒業チャレンジ「グリーンシティ」を開催。全校のベーシックⅠ生、全4チーム8名が参加しました。
結果は以下の通り、同点2チームが優勝。2回の競技のうち高得点を最終結果とするルールで行いました。1回目の競技後、失敗した点の解決策を見つけ、それを実行できたかどうかが勝因に結びついたようです。
 
 
ベストロボット賞は、難易度の高い課題を成功できた点と、また効率的に動作するよう考えてプログラムされている点が評価され、受賞に結びつきました。
 
■グリーンシティ・チャレンジ結果

 チームメンバー
氏名学年在籍得点
優勝GCC1鴇田 I小4飯田橋20点
森山 S小3飯田橋
優勝GCC2泉 S小3飯田橋20点
髙津 S小4飯田橋
ベストロボット賞中村 R小4日吉

 
 
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レゴを使った新しい言語学教材!?
-レゴエデュケーション教材「Story Starter」誕生-
 
 
4/13(日)お台場・日本科学未来館で、レゴ社が教育関係者向けに教材紹介や授業提案をする「レゴエデュケーションカンファレンス2014」が開かれました。今回は「グローバル人材の育成」をテーマに文科省初等中等教育担当者の講演がありました。日々刻々と変化する時代と環境に国政的に適応できる人材が育つよう、教育法も常に進化させていく必要性を感じました。

レゴ社が新教材として提案したのが小学生以上対象の「Story Starter」=上写真。物語の中に登場する人や動物のキャラクター、小物、場面を彩る樹木など5人1組で使用できる1,000ピース以上入ったセットです。これらで物語の場面を作成し、それを発表することで、思考力・表現力・言語能力を育てる、という趣旨です。
 
 
実際に使ってみましたが、具体物があることで物語が想像しやすいこと、またそれを伝えることで仲間と円滑にコミュニケーションがとれることなど様々な可能性は感じました。何よりも新鮮なのは、作った話を上図のようにドキュメントとして記録できる点。PCやタブレットで製作物を撮影し、簡単な操作でビジュアル的にも良いものができます。学習したことを自ら記録して残し、定着させていくこと。デジタル化で簡単に作業できるようになった今、学習には欠かせない要素だと思います。
 
当アカデミーでも、この要素を子供たちが楽しく学習に取り入れられるよう、同教材の使用も視野に入れつつ、いち早く授業プランを開発していきたいと考えています。
 
 
 
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国際的な学習到達度調査PISA2012
-問題解決能力 日本3位に-
 

今年の「新年のご挨拶」で、65カ国・地域の15歳約51万人を対象とした『PISA2012』の主要3分野の結果をご紹介いたしました。今回は日本では191校(学科)、約6,400人の生徒が参加。今回の中心分野である「数学的リテラシー」が7位・536点(OECD平均494点)、「読解力」は4538点(OECD平均496点)、「科学的リテラシー」が4547点(OECD平均501点)と、日本の順位が急落した2003年の「PISAショック」からかなり回復し、3分野とも過去最高得点となりました。また、全分野で上位層が増え、下位層が減ったという望ましい形になってきました。

(調査問題例は、http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/pisa2012_examples.pdf をご参照ください)

PISA2012では、主要3分野の他にコンピューターを使った、次の3分野の調査が国際オプションとして実施されました。「デジタル数学的リテラシー」が6539点(OECD平均497点)、「デジタル読解力」は4545点(OECD平均497点)、「問題解決能力」3552点(OECD平均500点)。問題解決能力の調査には44カ国・地域が、日本では181校、約6,300の生徒が参加。1位シンガポール、2位韓国に続く順位となりました。PISAでは2003年に問題解決能力の調査を行っていますが、コンピューターを使用したのは初めてであり、枠組みや調査実施形態が異なるため、2003年との直接比較はできません。

(調査問題例は、http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/pisa2012_item_ps.pdf をご参照ください)

PISAでは問題解決能力を、「問題解決の道筋が瞬時には明白でなく、応用可能と思われるリテラシー領域あるいはカリキュラム領域が数学、科学、または読解のうちの単一の領域だけには存在していない、現実の領域横断的な状況に直面した場合に、認知プロセスを用いて問題に対処し解決することができる能力」と定義しています。PISAでは、「CCC(Cross Curriculum Competance)」として捉えられている問題解決力、批判的思考、コミュニケーション能力、忍耐、自信といった教科の枠を横断した能力こそ大事であり、それを測ることの重要性が提起され、各種の実験が行われてきました。

当アカデミーの『ブロック・サイエンス』は、世界の教育現場で(最近は日本の学校でも)採用されている教育用レゴブロックを使った科学技術教育プログラムを提供しています。「楽しく創造力と問題解決力を育てる」と謳っていますが、具体的にどのようなカリキュラム構成になっているかをご紹介します。カリキュラムの中には単元の最後に必ず「問題解決学習」が用意されています。この問題解決学習とは、「困っている人(または動物)がいるので、その人(または動物)の問題を解決するための物を各ステップで使用しているレゴブロック教材で作ろう」ということが課題になります。①まず、提示された絵の中にどのような問題があるかを発見する ②解決策を考える(解決のための推論を立てる) ③問題解決のためのオリジナルの作品を作る(試行錯誤しながらの創作活動) ④なぜそれを作ったのか、どのような工夫をしたのかを発表する(プレゼンテーション) ⑤実験によって問題が解決したかを検証する(作品の評価)、という流れで行います。制作中の試行錯誤における小さな「推論→実験→検証」のサイクルを、課題達成のための全体の「推論→実験→検証」に結び付けて活動しています。

ここでは、子供たちが自らの活動を通して自分の力で知識を獲得し構築していく学習を実現する「コンストラクショニズム」という教育理論、自分の手を使った直接体験型の学び「ハンズオン学習」、正解のない問題にアプローチすることにより考えるプロセスに働きかけ多様な考えを引き出す「オープンエンド」という、当アカデミーが主軸とする3つの教育コンセプトが生かされています。また、「基礎理論のための実験→それを利用した現実社会に存在するモデルの研究→問題解決学習」という流れで行っています。問題解決学習では調べ学習も行います。ですので、これまで学んだ知識や技術や技能と、調べた情報とを基に問題を解決する、という正にPISAのいう「リテラシー」(知識や情報の活用力)を育成するのには極めて有効であると考えています。おそらく、世界の教育現場で採用されている理由の一つがここにあるのでしょう。


トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳

 
 
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