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2013年9月15日日曜日

2013年9月

NESTロボコン2013
-新たな挑戦がここから始まる!-
 
 
去る8月25日(日)東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパスにて、NPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST)主催、ICT夢コンテスト2012受賞プログラムの『NESTロボコン2013』を開催しました。

参加者数は、初心者向けNESTオリジナル競技「Kokohore!-WanWan!」が25名、サッカーAライトウェイトリーグが15名、サッカーAオープンリーグが7名、レスキューAが40名。総勢87名が参加しました。


今回もエントリーしたメンバーを任意に組み合わせてチームを作る、ロボカップジュニア世界大会では「スーパーチーム」と呼ばれる方式を採用。今年新設した「初めてのロボットプログラミング講座」の受講者と参加者なら誰でも自由に参加できる「ライントレース・タイムアタック」も大盛況で、自分の競技終了後に何度もチャレンジしている参加者もいました。


秋から今年のFLLやロボカップジュニアの活動が本格的に始まります。その出発点となる競技会で、参加者は皆、大きな収穫を得たことと思います。


■NESTロボコン2013 結果一覧は 以下のNESTホームページご覧ください。
http://www.npo-nest.org/workshop/robocon2013ranking.html



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独立行政法人国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金助成活動」
-海での自然観察・科学活動『オーシャン・プロジェクト2013』報告-
 
 
去る8/7(水)~8(木)、真鶴の海で一泊二日の『オーシャン・プロジェクト2013』をNPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST)主催で開催しました。毎年オーシャン・プロジェクトは、干潮と満潮の高低差が一番大きい「大潮(おおしお)」(新月や満月の前後数日)に限定して行っています。
今年もNPO法人ディスカバーブルーの協力で、真鶴町立「海の学校」の前校長である渡部孟先生による磯観察、山本先生による町立「遠藤貝類博物館」での日本や世界の貝についての興味深い講義、水井代表によるプランクトン観察を初日に行いました。
 
 
三ツ石での磯観察は、「定性調査」という手法で行いました。生物の数を調べるのではなく、種類を調べる調査です。採集した生物を渡部先生が、海綿・刺胞・環形・節足・軟体・棘皮・脊索に分類し生物名を教えてくれました。結果、参加者24名で53種類もの生物を採取することができました。また、プランクトン観察では今年は「夜光虫」も見られ、その神秘的な光に感動しました。
 
2日目は恒例のシュノーケリング、前日学んだ生物を探す「生き物ビンゴ」、水深の変化の記録などの活動を琴が浜で行いました。午後は、真鶴町「美の条例」の象徴である「コミュニティ真鶴」という施設で活動のまとめと、ロボットを使ったシミュレーション・ゲーム「地形探査」という、超音波センサーでデータロギング活動を行いました。
 
港に面する旅館「入船」の方々も実に親切で様々なご協力を頂き、海に関する様々な学習が濃密に行われ、子供たちの目は終始知的好奇心に輝いていた2日間でした。
 
 
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2013年度第2回「算数・数学思考力検定」
-11/9( 土) 日吉校、11/10( 日) 飯田橋校で実施-
 
2013 年度第1 回算数・数学思考力検定の合格者を以下の通り発表します。おめでとう!
 
受検級 名前 学年 在籍
6級 朝田 J 中1 日吉
7級 矢頭 K 小5 飯田橋
8級  間  K 小4 飯田橋
9級 森山 S 小3 飯田橋
岩間 K 小2 練馬
10級 伊藤 S 小3 日吉

2013 年度第2回は、11/9( 土)日吉校、11/10( 日) に飯田橋校で実施します。
 
申込締切は、10/8( 火) です。ぜひ挑戦してください。
 
お申込み方法など、詳しくはこちら。 
 
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ICT夢コンテスト受賞「NESTロボコン」の思想①
~ 学年を超えて、世代を超えて、みんなで創るロボットコンテスト ~
 
 
 
Truth通信2013年3月号でも紹介いたしましたが、『NESTロボコン2012』は、ICT(情報通信技術)を使った教育事例コンテスト「ICT夢コンテスト」でCEC奨励賞を受賞しました。

この9月から「FLL(ファーストレゴリーグ)」や「ロボカップジュニア」というロボットコンテストに向けての活動が本格的に開始します。受賞理由を考えながら、私共がどのような教育思想の下に指導しているか、ご理解いただければと存じます。

「NESTロボコン」は次のようにデザインしたロボットコンテストです。(以下、レジュメより抜粋)

 

1.チーム編成
ロボットコンテストは、「これまでの学習成果の発表の場」であると同時に、別々の地域や環境で学んできた参加者同士がお互いに学び合ったり刺激し合ったりする「絶好の学習の機会」でもある。学年の境を超えた者がチームを組むことによって、年少者は年長者から学び、年長者や豊富な経験を持つ者は年少者・初心者に教え、1つのチームとして協力・協働の場を創出したいと考えた。

2.ロボットとプログラミング
参加者は異なる学習環境で、様々なキットや素材でロボットを作っており、ソフトや言語で制御プログラムを組んでいるため、ハードやソフトの制約は一切設けないことにした。このことにより、課題達成のためのアプローチも異なるので、実に多様なロボットの形状や機構、デザインが見られ、また使用するセンサーも学習の達成度や戦略によってかなりの違いがある。当然プログラムの組み方も実に千差万別であり、オープンエンドの問題解決学習の実現を目指した。プログラミングの学習レベルや経験に応じて競技が選べるように3種類の競技を用意した。また、得点条件も複数段階設定した。さらに、初心者向けのKokohore!WanWan!では、宝の隠し場所を発見した時に行うパフォーマンスを審査員が評価する「ベスト・パフォーマンス賞」を用意し、独創性を発揮させるようにした。

3.プレゼンテーションポスター
プログラム開発のオープンソースの考えを援用し、競技中に他チームのロボットとその動きを実際に見るだけではなく、その背景となっている多様な考え方や問題に対するアプローチの仕方、様々な技術を学び合える環境を作り出そうと考えた。

4.運営スタッフ
子供がやっている競技をただ観戦しているだけではなく、自らも参加することによって、子供たちがどんなことをしているかを理解し、子供たちの活動を応援している気持ちを目に見える形で子供たちに伝えることができるのではないかと考え、先生や父母にスタッフとして運営に携わっていただいた。このことによって、子供の学習意欲が向上するだろうし、教室や家庭でも共通の話題としてより多く上ることで、コミュニケーションの機会を増やすことができるのではないか、という期待を抱いたからである。
参加者の子供たちが副審を担当する意義は、競技運営者としてルール運用の実際を経験することによって、よりルールに対する理解を深めることにある。また、主審担当の先生や父母の審判助手をすることにより、コンテストの成功という同一の目的に向かって大人と子供が協力し合える状況を作り出すことを意図した。

 

このようなデザインを基に行った「NESTロボコン」の成果、私共がロボット・サイエンスだけでなく、ブロック・サイエンスやリトル・ダヴィンチ理数教室でも貫いている教育の考え方について、次回お話ししたいと存じます。

トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳