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2010年5月15日土曜日

2010年5月

全4チームが世界大会へ!
― ロボカップジャパンオープン2010大阪結果  ―


5月2日(日)~5月4日(火祝)大阪市・大阪工業大学で「ロボカップジャパンオープン2010」が開催されました。当アカデミーからは卒業生チーム含む全12チーム28名が出場しました。ご父母の方も含め、昨年を上回る人数の大規模な遠征ツアーを組み、決戦の地、大阪へ向かいました。

1日(土)夜より現地入りし、ホテルで恒例となった壮行会を開きました。選手達が決意を表明し、ご父母の皆様より激励の言葉が贈られ、世界大会という目標に向け気持ちを一つにしました。

ダンスチャレンジでは、2010ルールから音楽に合った演技を披露する「ダンス部門」、ストーリー性のあるテーマが構築された演技を披露する「シアター部門」の2つの部門が設けられ、今大会から審査に採用されました。


プライマリ14チームの中で「連獅子」が優勝。歌舞伎をテーマに奥行きのあるフィールド使いで演技を披露しました。最優秀プレゼンテーション賞とのW受賞で、世界大会出場を決めました。「ロボケストラ」は2位との1点差で第3位、「もっちーズ」は4位で、いずれも好成績でしたが惜しくも世界大会は逃してしまいました。


 レスキューチャレンジでは、被災者が立体的な缶になるという大きなルール変更がありました。特にセカンダリでは、被災者を高さ6㎝の避難場所に持ち上げなくてはなりません。選手達は新たな課題に様々な角度からアプローチしており、子ども達の豊かな発想力、可能性をあらためて見せられました。


プライマリでは、「3T-Robot」が3回の競技全て被災者を救出し、第3位に。セカンダリでは、果敢に被災者救出に挑戦し観客をわかせた「RCXレスキュー隊」が優勝し、世界大会の切符を手に入れました。また、今世界大会よりレスキューBが開催されます。被災者が熱(赤外線を放つ電気式熱源)とされ、より実際のレスキューに近い競技となります。当アカデミー卒業生で現在高専生の「Radium」が書類審査の上、選抜されました。


 サッカーチャレンジは今回より年齢別ではなく、重量別にリーグが組まれました。当アカデミーチームはいずれも決勝進出にはいたりませんでした。敗退したチームのメンバーシニア中型リーグのチームと交流を持つなど今後につながるものを学習する場になりました。

大会を重ねる毎に参加者達の姿勢、意識が変わり、成功体験が子どもをより大きく飛躍的に成長させることを実感いたしました。より多くの生徒に成功体験をしてもらえるよう今後の授業、活動に取り組んでいきたいと思います。
世界の大舞台に挑む挑戦者達にご声援お願いいたします!

■ロボカップ2010世界大会 シンガポール■
http://www.robocup2010.org/
  【日時】6/19~6/25 ※ジュニア競技は6/21~6/24
  【場所】Suntec Singapore International Convention and Exhibition Centre


■ジャパンオープン2010大阪大会 結果一覧
サッカーチャレンジ
ライトウェイトB&B´(名古屋Y・嶋本R)日吉校予選敗退
セカンダリTech-IS(瀬戸T・礒田H)Truth卒業生予選敗退

レスキューチャレンジ
プライマリ3T Robot(亀井I)飯田橋校第3位
プライマリΣ(持田S)飯田橋校第6位
プライマリK-SAT2010(名村K)日吉校第11位
プライマリGaruda(大野M)練馬校第15位
セカンダリRCXレスキュー隊(清水S)日吉校優勝
セカンダリTAKUMI(増田T)Truth卒業生第4位
セカンダリNEXTEP(森T)飯田橋校第14位
レスキューBRadium(加納M)Truth卒業生推薦

ダンスチャレンジ
プライマリ連獅子 (平澤R・松村K・武井Y・野村S・杉浦S・佐藤H・柳澤Y)練馬校優勝・最優秀プレゼンテーション賞
プライマリロボケストラ (今野S・梶H・名倉R・荒木K・上原M・宇梶Y)飯田橋校第3位
プライマリもっちーズ (小林A・鈴木Y・飯島I・井下N)日吉校第4位・カテゴリー賞センサーの有効な使用



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夏休みサイエンス・プロジェクト

RISE科学教育研究会が提供する夏のサイエンスプロジェクト。今夏も子どもゆめ基金助成活動(独立行政法人国立青少年教育振興機構)として開催します。


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サイエンスキャンプ2010 参加者募集
-高尾の森で!「データで探る 森の生きもの」-


RISE主催「サイエンスキャンプ2010」は早くも今年で6年目を迎え、昨年に引き続き高尾で実施します。

 「データロガー」を使用して、センサーが取得したデータの分析や解析を行い、生き物とその生息地、生息環境の関係性について研究します。初日には、高尾山を気温や光のデータを取得しながら登山。専門家の先生にもお話を伺います。取得したデータから高尾山の気候や動植物の生態環境についてサイエンスマップを制作します。

もちろん、テント張りや食育活動を交えた飯ごう炊さん、キャンプファイアーも。普通のキャンプとはひとあじ違う「科学するキャンプ」を、夏の高尾で楽しもう!

 
RISEサイエンスキャンプ2010開催概要
■開催日:8月12日(木)~14日(土) 2泊3日
■開催場所:高尾の森わくわくビレッジ
http://www.wakuwaku-village.com/
■定員:32名
■対象:小学4年生以上
■参加費:15,750円(税込)
■申込:6/14~申込用紙かRISEのHPで


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オーシャンプロジェクト2010 参加者募集
― 真鶴の海で!「海と生きものを科学する」― 


RISE所属のエルプレイス(玉水亘代表、http://www.lplace.jp/)が、3年前から行ってきた海洋観察会を、今年から1泊2日のRISE主催「オーシャンプロジェクト」としてスケールアップして行います。

神奈川県真鶴市琴が浜海岸を中心に活動します。真鶴市は、都心から近い立地条件にありながらも豊かな原生林と美しい海が広がり、森と海の関係を学べる貴重な場所です(Truthの視線:第45回参照)。
大自然の中で、磯観察会やシュノーケリング、プランクトン観察、データロギングなど様々な活動を行います。また、宿泊場所では外で集めた情報をもとに、データロギングを行い、海と生き物をを研究します。


 
RISEオーシャンプロジェクト2010 開催概要
■開催日:7月27日(火)~28日(水) 1泊2日
■開催場所:真鶴市・琴が浜
■募集対象:小学3年生以上
■参加費:15,750円(税込)
■定員:24人
■申込:6/15(火)~申込用紙またはRISEのHPから



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ダヴィンチスペシャルで「プレサイエンス」を開始!
-科学アカデミー・エレメンタリで「液体の探検」!-


4月よりリトル・ダヴィンチ「科学アカデミー」エレメンタリ(小1~小3)が飯田橋校でスタートしました。

4月はカリフォルニア大学バークレイ校ローレンスホール教育研究所で開発された体験学習法に基づく科学・数学プログラム「GEMS」から「液体の体験」を行いました。「液体」をテーマに、観察・比較・推測・実験・記録・定義する…という科学経験に必要なスキルを身につけます。

身近にある液体「水」や「油」、「酢」などを実験を通して科学的に観察します。混ざり合うかどうか?表面張力の違い、物体の沈み方などを調べ、液体を分類したり、比重の違いを体験したりしました。液体の探検のフィナーレとして、油と酢を使ったドレッシング作りを行い、計量スプーンやカップの使い方なども学習。


不思議に思う→よく観察する→検証してみる→なぞが解けるという一連の科学的な体験を繰り返し、子どもたちが自ら問題を発見し解決する手法を身につけていくことを目標としています。

残念ながら通常のプレスクールクラスはまだ開講にいたっておりません。ダヴィンチ・スペシャルとして再開し、皆様に体験していただき、より多くの理解を求めて行きたいと思っています。

イベント的ではなく、一つのテーマで時間をかけて科学活動が行えるよう、5月~6月は「空気」をテーマに行います。奮ってご参加ください。


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★トゥルースの視線(第52回)★
数学的リテラシー②
― 世界が求める「数学的リテラシー」とは ―


数学教育の分野で「数学的リテラシー」という用語が国際的に本格的な議論の対象になったのは、OECDによるPISA「生徒の学習到達度国際調査」(視線第12回・23回・2008年ご挨拶参照)で、この概念が用いられてからです。調査問題の斬新さに加え、国際的指標を通して浮き彫りになった生徒の実態が、新しい時代の数学教育のあるべき姿を改めて問い直す機会を与えました。

「思慮深く、身の回りの諸問題に関心をもった建設的な市民」として生活するために必要な能力は何か?新しい時代に必要なのは、学校のなかで閉じた算数・数学ではなく、社会と将来につながりがある、世界にひらかれた算数・数学なのです。実生活の状況を含む多様な問題場面で、生徒が情報を的確に読みとって、それを数学的に解釈・表現し、判断を下す力を評価することに主眼がおかれています。ですから、生徒が身につけている「生きてはたらく知識や技能」を多元的に評価していることがPISAの特徴になります。

その際カギとなるのが、『数学化(mathmatisatin)の過程』です。

①現実性に根ざした問題から始める。
②数学的概念によってその問題を組織し、問題に関連する数学を同定する。
③仮定をおいたり一般化・形式化したりする過程を通して、徐々に問題の現実性を取り除いていく。このことによって状況の数学的特徴づけが進み、現実世界の問題を、状況を忠実に数学の問題に変換する。
④数学の問題を解決する。
⑤現実的状況から見て、数学的な解の限界を特定することを含め、その解の意味を考える
(OECD,2003)

これまでの伝統的な数学教育は、④のみに焦点を当てて行われてきたと言えます。

また、数学化の過程に用いられる能力は、以下のように挙げられています。
①思考と推論
②論証
③コミュニケーション
④モデル化
⑤問題設定と問題解決
⑥表象
⑦記号的・形式的・技術的な言語や操作の使用
⑧道具や補助器具の使用
(OECD,2003)

では、「数学的リテラシー」を育てるためには、どのような教育が必要なのでしょうか?
次回ご紹介したいと存じます。